ヴォルフガング・ケーラー

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ヴォルフガング・ケーラーは、ドイツの心理学者であり、ゲシュタルト心理学の創始者の一人です。1887年、エストニアのタルリンに生まれました。1909年にベルリン大学で博士号を取得した後、1913年から1920年までドイツのケルン大学で教鞭をとりました。

1913年、ケーラーはドイツ領のカナリア諸島のテネリフェ島にある類人猿研究所の所長に就任しました。そこで、ケーラーはチンパンジーなどの類人猿が、試行錯誤によらない「洞察学習」を行うことを発見しました。洞察学習とは、問題を解決するために、全体を把握して、その構造を理解した上で、解決策を思いつく学習のことです。

ケーラーの洞察学習の発見は、それまでの学習心理学における連合主義的な考えに大きな衝撃を与えました。連合主義的な考えは、学習は単純な刺激と反応の結合によって行われるという考えです。しかし、ケーラーの実験結果は、学習には単純な刺激と反応の結合だけでなく、全体の把握や構造の理解も必要であることを示しました。

ケーラーは、洞察学習の研究以外にも、視覚知覚や問題解決の心理学など、さまざまな分野で研究を行いました。ケーラーの研究は、心理学の発展に大きな貢献をしました。

ケーラーは、ナチス政権の台頭を恐れて、1933年にアメリカに亡命しました。アメリカでは、プリンストン大学、カリフォルニア大学バークレー校などで教鞭をとり、1967年に亡くなりました。

ケーラーは、ゲシュタルト心理学の創始者として、また、洞察学習の発見者として、心理学史上に大きな足跡を残した人物です。

参考URL:
ヴォルフガング・ケーラー – Wikipedia