誤信念課題

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誤信念課題とは、心の理論の獲得の有無を測定する心理学実験です。心の理論とは、他者の心の状態を理解する能力のことで、他者の信念、欲求、意図、感情など、他者が見ている世界を理解する能力です。

誤信念課題では、被験者に物語を聞かせ、その物語の中で他者が持っている誤った信念を理解することができるか、をテストします。

最も有名な誤信念課題は、サリーとアン課題です。この課題では、次のような物語を聞かせます。

サリーという女の子が、おもちゃのボールを箱の中に入れて、部屋を出ます。アンという女の子が部屋に入ってきて、おもちゃのボールを箱から出して、別の場所に置きます。サリーが部屋に戻ってきたら、サリーはおもちゃのボールを探すでしょう。

この物語を聞かせた後、被験者に「サリーはおもちゃのボールをどこで探すと思いますか?」と質問します。

3~4歳の子どもは、おもちゃのボールは実際に置かれている場所である「別の場所」で探すと思います。しかし、5~6歳以上の子どもは、サリーは自分が最後に見た場所である「箱の中」で探すと思います。

サリーは、おもちゃのボールが実際に置かれている場所を知りません。サリーは、自分が最後に見た場所である「箱の中」でおもちゃのボールを探すだろうと、被験者は推測することができます。

誤信念課題は、子どもの心の理論の発達を測定する重要な指標です。3~4歳の子どもは、他者の誤った信念を理解することができません。しかし、5~6歳以上の子どもは、他者の誤った信念を理解することができるようになります。

誤信念課題は、自閉症などの発達障害の診断にも用いられます。自閉症の子どもは、他者の心の状態を理解することが苦手なため、誤信念課題で正答率が低くなります。

https://psycho-psycho.com/false-belief-task/