マガーク効果とは、視覚情報(主に読唇)が聴覚の情報に干渉し、音声の聞こえ方を変容させてしまう現象のことです。1976年に、カナダのマガーク博士とマクドナルド博士によって報告されました。
マガーク効果の代表的な例は、次のようなものがあります。
- 「ば」の音声と「が」の口の動きを組み合わせると、「だ」や「ば」のように聞こえる。
- 「ぱ」の音声と「か」の口の動きを組み合わせると、「た」や「ぱ」のように聞こえる。
この現象は、視覚情報と聴覚情報のどちらが正しい情報なのかを判断するのが難しい場合、脳が両方の情報から推測して、新たな情報を生成してしまうことで起こります。
マガーク効果は、日常生活の中では、以下のような場面で役立っています。
- 騒音の中で話を聞くとき
- 読唇で話を聞くとき
- テレビや映画で話を聞くとき
これらの場面では、視覚情報と聴覚情報の両方から情報を得ることで、音声を正確に聞き取ることができます。
ただし、マガーク効果は、誤った情報を生成してしまう可能性もあるため、注意が必要です。例えば、以下のような場合には、マガーク効果によって誤った情報を受け取ってしまう可能性があります。
- 話者の口元が見えにくいとき
- 話者の口元の動きが不自然なとき
- 話者の声が聞き取りにくいとき
マガーク効果を理解することで、日常生活の中で音声を正確に聞き取るために役立てることができます。