同調性バイアスとは、集団の中にいると、つい他者と同じ行動をとってしまう心理的な傾向のことを指します。
具体的には、集団の意見や行動に同調することで、集団から受け入れられ、集団に所属しているという安心感を得ようとするのです。
例えば、グループで何かを決めるとき、少数派の意見が正しいとしても、多数派の意見に同調して賛成してしまうことがあります。また、災害時などに、周囲の人が逃げていないと、自分も逃げないという行動をとってしまうことがあります。
同調性バイアスは、以下の要因によって生じると考えられています。
- 社会的影響:人は、集団に所属しているという安心感を得るために、集団の意見や行動に同調しようとする傾向があります。
- 認知的省力化:人は、複雑な判断を避けるために、集団の意見や行動に同調しようとする傾向があります。
同調性バイアスは、さまざまな場面で影響を及ぼします。例えば、
- ビジネスにおいては、グループワークにおいて、少数派の意見が正しいにもかかわらず、多数派の意見に同調して賛成してしまうことがある
- 政治においては、集団心理に流されて、間違った情報や意見に同調してしまうことがある
- 社会においては、差別や偏見の原因となることがある
同調性バイアスは、必ずしも悪いことばかりではありません。例えば、集団の意見や行動に同調することで、集団の結束を強め、集団の利益を守ることにつながることもあります。しかし、同調性バイアスが働くと、正しい判断を下せなくなることもあります。
同調性バイアスを軽減するためには、以下のことに気をつけましょう。
- 集団の意見や行動に同調する前に、自分の考えをしっかりと考える
- 多様な価値観や考え方を持つ人々と交流する
- 自分の偏見や思い込みを認識する
同調性バイアスに気づき、意識的にコントロールすることで、より正確な判断を下せるようになります。
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知ってほしい!避難の妨げになる「正常性バイアス・同調性バイアス」|赤十字NEWSオンライン版|広報ツール・出版物|赤十字について|日本赤十字社