基準率の無視とは、ある事象の起こる可能性を判断する際に、その事象の基準率(事象が起こる可能性の一般的な割合)を無視あるいは軽視してしまう認知バイアスの一種です。
例えば、ある街のタクシーの色は、青が15%、緑が85%です。ある晩、この街でひき逃げ事件が起こりました。目撃者の証言によると、ひいたのは青タクシーとのことです。しかし、現場は暗かったこともあり、目撃者は色を間違える可能性があります。
この場合、基準率無視をすると、青タクシーがひき逃げ車である可能性が高いと判断することになります。これは、目撃者の証言が青タクシーであったという情報にばかり注目し、青タクシーがひき逃げ車である可能性は低いという基準率を無視してしまったためです。
基準率の無視は、日常生活においても様々な場面で起こり得るバイアスです。例えば、面接において、応募者の見た目や経歴などの情報にばかり注目し、その人の能力や適性を判断してしまうことが挙げられます。また、病気の診断において、患者の症状にばかり注目し、その病気の一般的な罹患率を無視してしまうことも考えられます。
基準率の無視を防ぐためには、事象の基準率を意識して考慮することが重要です。また、直感的な判断に頼らず、統計的な手法を用いて客観的に判断することも有効です。
以下に、基準率の無視を防ぐための具体的な方法をいくつか挙げます。
- 事象の基準率を意識する
- 直感的な判断を避ける
- 統計的な手法を用いる
- 複数の情報源から情報を収集する
- 他の人の意見を聞く
基準率の無視は、適切な判断を下す上で重要な認知バイアスです。このバイアスを理解し、対策をすることで、より正確な判断を下せるようになります。