ネズミのユートピア実験ユニバース25

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ユニバース25とは、1968年から1972年にかけてアメリカの動物行動学者ジョン B. カルフーンが行った、ネズミによる実験です。

カルフーンは、食料や水を無制限に与えて、病気などを予防、更に天敵のいない環境を作り出し、ネズミにとっての理想郷を作ることで、ネズミの行動パターンや繁殖率などを観察するのが目的でした。

実験の結果、ネズミは最初は爆発的に増え、2200匹まで急増しました。ところが意外にもまだ増える余裕のあるはずのスペースなのに、徐々にマウスは減少し、しまいには0匹になってしまうという結果に。

カルフーンは、この実験から、以下のような結論を導き出しました。

生存競争がなければ、動物は社会秩序を失い、暴力や性的倒錯などの異常な行動を示すようになる。
人口が過密になると、ストレスや攻撃性が高まり、社会が崩壊する。
この実験は、人間社会にも警鐘を鳴らすものとして、多くの人々に衝撃を与えました。

具体的には、以下の点が人間社会と共通すると考えられています。

食料や水などの資源が豊富になれば、人口は急増する。
人口が過密になれば、資源の奪い合いが起こり、社会は不安定になる。
社会が不安定になると、暴力や犯罪などの社会問題が起こる。
もちろん、マウスと人間は生物学的に異なるため、完全な類似性はありませんが、人間社会の未来を考える上で、ユニバース25の実験は重要な示唆を与えてくれるものと言えるでしょう。

なお、カルフーンは、この実験を25回繰り返しましたが、25回とも結果は同じでした。

https://web-mu.jp/history/6250/