(心理学における)罰

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心理学における罰とは、望ましくない行動をしたときに、不快な刺激を与えることで、その行動の頻度を減少させる方法です。罰で用いられる不快な刺激は、罰子、あるいは嫌子と呼ばれることもあります。

罰は、正の罰と負の罰の2種類に分けられます。

正の罰:望ましくない行動をしたときに、不快な刺激を新たに与える方法です。たとえば、子どもが勉強をしないときに、怒鳴ったり、机をたたいたりすることが、正の罰の例です。
負の罰:望ましくない行動をしたときに、好ましい刺激をなくす方法です。たとえば、子どもが宿題をしないと、テレビを見るのを禁止する、ゲームを禁止する、といったことが、負の罰の例です。
罰は、望ましくない行動を減少させる効果があることが知られています。しかし、罰には以下のような問題点もあります。

罰によって、恐怖や不安、怒りなどの感情が誘発されることがあります。これらの感情は、学習や認知、記憶などパフォーマンスを一時的あるいは継続的に低下させたり、全般的な行動を抑制させたりすることも考えられます。
罰によって、行動の代替行動が学習されることがあります。たとえば、子どもが勉強をしないときに怒鳴られると、子どもは勉強を隠れてするようになります。
罰によって、罰を与える人に対する反抗心や憎しみが生まれてしまうことがあります。
そのため、罰はあくまでも最後の手段として、慎重に用いることが重要です。

https://psych.or.jp/publication/world080/pw03/