潜在的学習

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潜在的学習とは、報酬や強化がなくても、周囲の環境や情報から学習する現象です。1930年代に、アメリカの心理学者であるエドワード・トールマンによって提唱されました。

トールマンは、ラットを用いた迷路実験で、報酬のない迷路を探索していたラットたちが、報酬を与えられるようになったときに、すぐに最短ルートでゴールできるようになることを発見しました。このことから、ラットは報酬がなくても迷路の構造を学習していたと考え、これを潜在的学習と呼びました。

潜在学習は、動物だけでなく、人間にも見られる現象です。例えば、初めて訪れた街で、迷子になっても、何度か歩くうちに、だんだんと街の構造を覚え、迷わなくなることがあります。これは、潜在学習によって、街の構造を認知地図として学習していると考えられます。

潜在学習は、私たちの日常生活においても、重要な役割を果たしています。例えば、新しい言語を学習するときに、最初は文法や単語を覚えるのに苦労しますが、ある程度の経験を積むと、文法や単語を意識することなく、自然に話すことができるようになることがあります。これは、潜在学習によって、言語の構造や意味を学習していると考えられます。

潜在学習は、私たちの学習能力を高め、新しい知識や技能を獲得するために重要な役割を果たしています。

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