(心理学における)誘発性

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心理学における誘発性(ゆうはつせい)とは、外界の対象または生活空間内の特定領域のもつ特性であり、その領域に属する要素が他の要素に影響を与える性質を指します。この概念は、ドイツの心理学者クルト・レヴィンによって提唱されました。

誘発性は、主に次の2つの側面から説明することができます。

類似性
外界の対象や生活空間内の要素には、形や色、大きさ、音、香りなど、さまざまな特徴があります。これらの特徴が似ている要素は、互いに関連性を感じさせ、その領域に属する他の要素にも影響を与えやすくなると考えられています。

例えば、赤い車を見て「速い」と感じたり、明るい色の部屋で「楽しい」と感じたりすることがあります。これは、赤や明るい色が「速い」や「楽しい」といったイメージと関連付けられているためです。

連続性
外界の対象や生活空間内の要素は、時間や空間的に連続している場合、互いに関連性を感じさせ、その領域に属する他の要素にも影響を与えやすくなると考えられています。

例えば、レストランで料理を注文すると、食器やおしぼりなどもセットで提供されます。これは、料理と食器やおしぼりは、時間的にも空間的にも連続しているためです。そのため、料理を注文した人は、食器やおしぼりにも関連性を感じ、それらを使いたくなったり、使い終わった後に片付けたくなったりする傾向があります。

誘発性は、日常生活のさまざまな場面で現れる現象です。例えば、広告やCMで使用される音楽や映像は、商品やサービスの購買行動を誘発するために、誘発性を利用しています。また、心理療法では、誘発性を利用して、患者の感情や行動を変化させることが試みられています。

誘発性は、心理学において重要な概念であり、その理解は、私たちの生活や社会を理解する上で役立ちます。

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