集団本位的自殺

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

集団本位的自殺とは、個人が所属する集団の利益や規範を重視しすぎるあまり、自らの生命を犠牲にしてしまう自殺です。

社会学者エミール・デュルケームは、自殺を「個人と社会の不調和」が生じた結果であると捉え、自殺を3つの類型に分類しました。そのうちの1つが、集団本位的自殺です。

デュルケームは、集団本位的自殺は、個人と集団の結びつきが強固な社会で起こると考えています。このような社会では、個人のアイデンティティは、所属する集団によって大きく規定されます。そのため、個人は集団の利益や規範を重視し、自らの生命を犠牲にすることをいとわないのです。

集団本位的自殺の例としては、以下のものが挙げられます。

戦争で戦死した兵士
殉教者
集団自殺
現代では、集団本位的自殺は、宗教や政治など、特定の集団に強い帰属意識を持つ人々の中で起こる可能性があります。また、インターネットやSNSの普及により、集団本位的自殺の誘因となる情報がより容易に得られるようになったことも懸念されています。

集団本位的自殺を防ぐためには、個人と集団のバランスを適切に保つことが重要です。個人は、所属する集団の利益や規範を尊重しながらも、自らのアイデンティティをしっかりと確立しておく必要があります。また、社会全体としても、個人の尊厳を重んじ、多様性を尊重するような環境づくりが求められるでしょう。

http://www.ksc.kwansei.ac.jp/~kamata/semi/2000/kougi/semi1/000509.htm