完全習得学習

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

完全習得学習とは、十分な時間と適切な学習環境さえ与えられれば、どの児童生徒も、同じ学習内容を完全に習得することが可能であるという教育の考え方とそのための授業計画をさします。

この教育の考え方は、アメリカの心理学者ジョン・B・キャロルの「学習に関する時間モデル」が原点となっています。キャロルは、学習者は誰でも学習課題に必要な時間を要するが、十分な時間を与えられれば、誰でも学習課題を習得することができると主張しました。

完全習得学習では、このキャロルの仮説を前提として、すべての児童生徒が学習内容を完全に習得できるように、指導と評価を一体的に行うことが重要とされています。

具体的には、以下の3つのステップで学習を進めます。

診断的評価
学習の最初に、学習者一人ひとりの理解度や習熟度を評価します。これにより、学習者の個々の特性や課題を把握し、適切な指導を行うことができます。

形成的評価
学習の途中で、定期的に評価を行います。これにより、学習者が学習目標を達成しているか、学習が進んでいるかを把握し、必要に応じて指導を修正することができます。

総括的評価
学習の最後に、総括的な評価を行います。これにより、学習者が学習目標を達成したかを最終的に確認することができます。

完全習得学習のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

学習者の学力向上に効果的である。
学習者の学習意欲を高める。
学習の機会均等を実現する。
完全習得学習は、近年、日本でも注目されている教育方法です。今後、学校教育においても、より積極的に導入されていくことが期待されています。

https://kyoiku.sho.jp/87113/