ダブルバインドとは、ある人が、メッセージとメタメッセージが矛盾するコミュニケーション状況におかれること

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ダブルバインドとは、ある人が、メッセージとメタメッセージが矛盾するコミュニケーション状況におかれること。この用語はグレゴリー・ベイトソンによる造語です。

ダブルバインドの語源

ダブルバインドの語源は、英語の「double bind」です。これは、「二重の拘束」を意味する言葉です。

ダブルバインドの概念は、1956年にアメリカの精神科医グレゴリー・ベイトソンが提唱しました。ベイトソンは、統合失調症の患者が経験する精神状態を研究する中で、ダブルバインドの存在に着目しました。

ダブルバインドとは、ある人が、メッセージとメタメッセージが矛盾するコミュニケーション状況におかれることを指します。メタメッセージとは、メッセージの真意や背景を示すメッセージです。

例えば、親が遊んでいる子どもに対し、「ちゃんと勉強をしなさい!」と命令した後、「ちょっとこっちに来て夕食作りを手伝って」と依頼をしたとしましょう。この場合、子どもは勉強と家事手伝いのどちらかを選ばなければなりませんが、どちらを選んでも親を怒らせてしまうことになります。

このような状況は、子どもにとって非常にストレスフルであり、統合失調症の症状を引き起こす可能性があると考えられています。

参考URL:
ダブルバインドの意味とは - 具体例や対処法と併せて解説 (1) | マイナビニュース

ダブルバインドの特徴

ダブルバインドの特徴は、以下の4つです。

2つ以上の矛盾したメッセージが伝えられる

ダブルバインドとは、2つ以上の矛盾したメッセージが伝えられることで、受け手を混乱させ、精神的に苦しめるコミュニケーションのことです。

メッセージの受け手は、どちらのメッセージにも従うと罰を受ける

ダブルバインドにおいて、受け手はどちらのメッセージにも従うと罰を受けるという状況に陥ります。

メッセージの受け手は、メッセージの矛盾から逃げることができない

ダブルバインドにおいて、メッセージの受け手はメッセージの矛盾から逃げることができないという状況に陥ります。

メッセージの受け手は、メッセージの矛盾を認識することができない

ダブルバインドにおいて、メッセージの受け手はメッセージの矛盾を認識することができない、または、認識してもそれを受け入れることができないという状況に陥ります。

参考URL:
ダブルバインドとは?意味や典型例を紹介【従業員間で円滑なコミュニケーションを築く】

ダブルバインドの具体例

ダブルバインドの具体例を、家庭、職場、学校の3つの場面別にご紹介します。

家庭

子どもが何かを壊してしまったとき、親が「正直に言えば怒らないよ」と言ったのに、正直に申告したら怒られる。
子どもが勉強で困っているときに、親が「わからないことがあったら聞いて」と言ったのに、質問したら「自分で考えろ」と言われる。
子どもが家事や勉強を手伝わなかったときに、親が「もっと手伝って」と言ったのに、手伝ったら「もっと上手にやれ」と言われる。

職場

上司が部下に対して「質問があったら聞いて」と言ったのに、質問したら「自分で考えろ」と言われる。
ミスをした部下に対して、上司が「原因を説明してくれ」と言ったのに、説明したら「言い訳するな」と言われる。
部下が新しい仕事を任されたとき、上司が「失敗してもいいから挑戦してみろ」と言ったのに、失敗したら「もっと慎重にやれ」と言われる。

学校

不登校の子どもに対して、親や先生が「無理に学校へ行かなくてもいいよ」と言ったのに、学校に行かないと「学校へ行かないとダメだよ」と言われる。
授業で発言を控えている生徒に対して、先生が「もっと発言しなさい」と言ったのに、発言したら「うるさい」と言われる。
成績が悪い生徒に対して、先生が「もっと勉強しなさい」と言ったのに、勉強しても成績が上がらないと「勉強してもダメなんだ」と言われる。

参考URL:
ダブルバインドとは? 具体例、かわし方・対策を解説 - カオナビ人事用語集

ダブルバインドのデメリット

ダブルバインドには、以下のデメリットがあります。

ストレスや不安を感じる

ダブルバインドを受けると、受ける側はどの選択肢を選んでも失敗してしまうという恐怖や不安を感じます。そのため、ストレスや不安を感じ、精神的に不安定になる可能性があります。

自尊心や自己肯定感が低下する

ダブルバインドを受けると、受ける側は自分の行動が常に否定されているように感じます。そのため、自尊心や自己肯定感が低下し、自信を失う可能性があります。

コミュニケーション能力が低下する

ダブルバインドを受けると、受ける側は相手とのコミュニケーションに不安を感じます。そのため、コミュニケーション能力が低下し、人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。

うつ病や不安障害などの精神疾患を発症する

ダブルバインドが長期にわたって続くと、うつ病や不安障害などの精神疾患を発症する可能性があります。

参考URL:
ダブルバインドとは?ビジネスでの問題点や抜け出し方 | HRコラム

ダブルバインドの対処法

ダブルバインドの対処法としては、以下のようなものが挙げられます。

メッセージの矛盾に気づく

ダブルバインドに対処するためには、まずメッセージの矛盾に気づくことが大切です。メッセージの表面的な意味だけではなく、その背後にある意図や感情にも注意して、矛盾を探しましょう。

自分の感情を認める

ダブルバインドに陥ると、さまざまな感情を抱くことがあります。自分の感情を認め、無理に抑え込まないようにしましょう。

自分の行動に責任を持つ

ダブルバインドでは、どのような行動をとっても罰せられてしまうという状況に陥ってしまいます。しかし、自分の行動に責任を持つことで、ダブルバインドによって引き起こされる不安や恐怖を軽減することができます。

相手の真意を探る

ダブルバインドを発する相手は、必ずしも悪意を持ってそうしているわけではありません。相手の真意を探ることで、ダブルバインドに陥る状況を避けることができるかもしれません。

状況を改善するための行動を起こす

ダブルバインドに陥っている状況を改善するために、自分や相手の行動を変える必要があります。相手と話し合い、ダブルバインドをなくすための方法を模索しましょう。

参考URL:
上司のダブルバインドが頻発!?かわし方や対処法・心理について【わかりやすい対策ガイド】

ダブルバインドの同義語、類義語、関連語、反対語

  • ダブルバインド理論
  • 肯定的ダブルバインド
  • エリクソニアン・ダブルバインド