メタ認知とは、自分の認知活動を客観的に捉え、評価・制御する能力

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メタ認知とは、自分の認知活動を客観的に捉え、評価・制御する能力です。

メタ認知の「メタ」とは「より高次の」という意味で、認知とは、思考や知覚、記憶、学習、言語などのことを指します。

つまり、メタ認知とは、自分の思考や知覚、記憶、学習、言語などの活動を、第三者の視点から冷静に見つめ、評価・制御する能力と言えます。

メタ認知が重要な理由

  • 学習を促進する

メタ認知能力が高い人は、自分の学習過程を理解し、どのように学習すれば効果的かを意識することができます。そのため、学習目標を設定し、適切な学習戦略を選択することができます。また、自分の理解度を客観的に評価することができるため、学習の弱点を発見し、克服することができます。

  • 問題解決能力を向上させる

メタ認知能力が高い人は、問題を客観的に分析し、解決策を効果的に検討することができます。また、自分の思考過程を振り返り、誤謬を修正することができます。

  • 意思決定を改善する

メタ認知能力が高い人は、自分の意思決定過程を理解し、どのように意思決定すればより良い結果につながるかを意識することができます。そのため、情報を収集し、分析し、さまざまな選択肢を比較検討することができます。また、自分の意思決定の偏りを認識し、それを修正することができます。

  • コミュニケーションを円滑にする

メタ認知能力が高い人は、自分のコミュニケーションスタイルを理解し、相手にどのように伝わるかを意識することができます。そのため、相手に合わせたコミュニケーションをとることができ、誤解を避けることができます。また、相手のコミュニケーションスタイルを理解し、相手の視点から物事を考えることができます。

参考URL:
メタ認知がビジネスに重要な理由とは?身につけるメリットや高める方法も解説 | HR Trend Lab

メタ認知の具体例

以下、メタ認知の具体例をいくつか紹介します。

1. 自分の思考を客観視する

  • テスト中に、「あれ? この問題、前に間違えた覚えがあるぞ…」と、自分が間違えやすい問題に気づく
  • プレゼンテーションの準備中に、「この説明だと、相手が理解できないかもしれない…」と、自分の説明の分かりにくさに気づく
  • 議論中に、「自分は感情的になっていて、冷静に話せていない…」と、自分の感情状態に気づく

2. 自分の感情をコントロールする

  • 怒りを感じたときに、「深呼吸して、落ち着こう…」と、自分の感情を落ち着かせる
  • 緊張しているときに、「大丈夫、できるよ…」と、自分に自信を与える
  • 不安なときに、「最悪の事態を想定しても、なんとかなる…」と、楽観的に考える

3. 自分の行動を振り返る

  • 仕事が終わった後に、「今日はどのくらい集中できたかな…」と、自分の集中力を振り返る
  • ミスをした後に、「なぜミスをしたのか原因を考えて、次は同じことを繰り返さないようにしよう…」と、自分の行動を分析する
  • 目標を達成できなかった後に、「何が足りなかったのか、どうすればよかったのか…」と、自分の行動を改善する

4. 学習戦略を立てる

  • 自分に合った学習方法を見つける
  • 勉強する前に、何を知っているのか、何を学ぶ必要があるのかを整理する
  • 学習計画を立てて、効率的に学習する

5. 問題解決能力を向上させる

  • 問題に直面したときに、まず問題を分析する
  • 複数の解決策を考え、そのメリットとデメリットを比較する
  • 最も効果的な解決策を実行する

参考URL:
心理学ワールド 100号 「弱み」を「強み」に変える心理学 メタ認知の心理学 | 日本心理学会

メタ認知の3つの要素

メタ認知には、以下の3つの要素があります。

メタ認知的知識

自分の認知能力や限界を知ることです。たとえば、「自分は記憶力が悪い」「自分は集中力が続かない」といった知識です。

メタ認知的モニタリング

自分の認知活動をリアルタイムで把握することです。たとえば、「今、私は何を考えているのか」「今、私は何をしているのか」といった把握です。

メタ認知的コントロール

自分の認知活動をコントロールすることです。たとえば、「今、集中力を高めるにはどうすればいいのか」「今、間違った考えが出てきたらどうすればいいのか」といったコントロールです。

参考URL:
メタ認知とは?【意味をわかりやすく】メタとは? - カオナビ人事用語集

メタ認知を高める方法

メタ認知を高める方法には、以下のようなものがあります。

セルフモニタリング

自分自身の思考や行動を意識して観察するトレーニングです。日記やメモをつける、自分の行動を録画するなど、さまざまな方法があります。

マインドフルネス

今この瞬間に集中し、自分の思考や感情を客観的に観察するトレーニングです。瞑想やヨガなどが代表的な方法です。

フィードバックを受ける

信頼できる人から、自分の思考や行動について客観的な意見をもらうことで、気づきを得ることができます。

目標を立てて達成する

目標を達成するためには、自分の思考や行動をコントロールする必要があります。目標を立てて達成することで、メタ認知能力を高めることができます。

以下に、具体的なトレーニング方法をいくつかご紹介します。

自分の思考や行動を5分間観察する

1日1回、自分の思考や行動を5分間観察するトレーニングです。自分の考えていること、感じていること、行動していることを、客観的に観察します。

自分の思考や行動をメモする

1日1回、自分の思考や行動をメモするトレーニングです。メモする内容は、自分の考えていること、感じていること、行動していること、その理由などです。

自分の思考や行動を振り返る

1日や1週間の終わりに、自分の思考や行動を振り返るトレーニングです。良かったこと、悪かったこと、改善したいことなどを振り返ります。

他人の思考や行動を観察する

他人の思考や行動を観察することで、自分の思考や行動を客観的に見る練習になります。映画やドラマを観るときに、登場人物の思考や行動を観察してみるとよいでしょう。

メタ認知は、意識してトレーニングすることで高めることができます。継続的にトレーニングすることで、自分の思考や行動をより深く理解し、より効果的な行動をとることができるようになります。

参考URL:
メタ認知とは?意味や鍛え方、メタ認知の能力が高い人の具体例を解説! | yururi

メタ認知のデメリット

1. 考えすぎて行動できない

メタ認知能力が高い人は、常に自分の思考や行動を分析しています。そのため、完璧主義になりやすく、リスクを過剰に考えて行動に移せないことがあります。特に、プレッシャーがかかる状況では、思考が麻痺して本来の力を発揮できない可能性もあります。

2. 疲れる

メタ認知は、常に自分の思考や行動を意識するため、脳のエネルギーを多く消費します。そのため、集中力が持続せず、疲労を感じやすくなります。特に、長時間メタ認知を続ける必要がある場合は、精神的な疲労が蓄積し、燃え尽きてしまう可能性もあります。

3. 自意識過剰になる

メタ認知能力が高い人は、自分の思考や行動を客観的に分析することができます。しかし、それが行き過ぎると、自分自身の欠点ばかりに目が行き、自信喪失につながる可能性があります。また、他人からの評価を過度に気にしてしまい、本来の自分らしさを失ってしまうこともあります。

4. 人間関係が悪化する

メタ認知能力が高い人は、相手の思考や感情を読み取ることができます。しかし、それが行き過ぎると、相手の考えを勝手に解釈して、誤解を生んでしまうことがあります。また、相手の欠点ばかりに目が行き、批判的な態度を取ってしまうこともあります。

5. 時間と労力がかかる

メタ認知能力を高めるには、自己分析や内省を繰り返す必要があります。そのため、時間と労力がかかります。また、自分自身と向き合うことは、精神的に苦痛を伴うこともあります。

参考URL:
メタ認知とは?高い人と低い人の特徴と高める方法を紹介 | 社員研修のアチーブメントHRソリューションズ