認知面接法とは、目撃者や被害者から、体験した出来事の記憶をより多く、正確に聞き出すための面接法です。1980年代にアメリカの心理学者であるロナルド・フィッシャーとロバート・ガイゼルマンが開発しました。
認知面接法は、以下の5つの段階から構成されています。
ラポール形成
被面接者と面接者の間に信頼関係を築きます。
自由再生
被面接者に、自由に記憶を語ってもらいます。
構造化質問
被面接者に、具体的な質問を投げかけます。
想起促進技法
被面接者の記憶を思い出させるための技法を用います。
確認
被面接者の回答を、面接者が確認します。
認知面接法は、以下の3つの原則に基づいています。
記憶はネットワーク状に保存されている
記憶は、単一の記憶ではなく、関連する記憶がネットワーク状に保存されています。認知面接法では、この記憶ネットワークを活性化させることで、より多くの記憶を引き出すことができます。
記憶は時間の経過とともに変化する
記憶は時間の経過とともに、歪んだり、忘れられたりしていきます。認知面接法では、できるだけ早い段階で面接を行うことで、記憶の歪みを減らすことができます。
被面接者の協力を得る
認知面接法は、被面接者の協力が不可欠です。面接者は、被面接者に安心感を与え、協力を得るための努力をする必要があります。
認知面接法は、多くの研究によって効果が検証されています。例えば、アメリカ司法省による研究では、認知面接法を用いることで、目撃者の記憶が25%から50%向上することが示されています。
認知面接法は、捜査や司法の場面で広く用いられています。また、企業や教育現場など、さまざまな場面で活用されています。
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