シミュラクラ現象とは、人間が3つの点が集まった図形を人の顔と認識してしまう脳の働き

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シミュラクラ現象とは、人間が3つの点が集まった図形を人の顔と認識してしまう脳の働きを指します。和訳では類像現象シミュラクラ効果とも呼ばれます。

この現象は、フランスの哲学者ジャン・ボードリヤールによって提唱された「シミュラークル」という概念に由来します。シミュラークルとは、本物そっくりな偽物であり、それが本物よりも実在感を持って人々に認識されるようになった状態を指します。

シミュラクラ現象は、人間の脳が生存のために備えた防衛本能の一種と考えられています。人は、他人や動物に出会った際、敵味方を判断したり、相手の行動や感情を予測したりする目的で、本能的にまず相手の目を見る習性があります。人の顔の目と口は逆三角形に配置されていることから、点や線などが逆三角形に配置されたものを見ると、脳は顔と判断してしまうのです。

シミュラクラ現象は、日常生活の中で様々な場面で起こります。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 雲や木などの自然物に人の顔を見つける
  • 車のヘッドライトとナンバープレートが顔に見える
  • 心霊写真に人の顔が写っているように見える

シミュラクラ現象は、人間の脳の錯覚の一つですが、私たちの認知や行動に大きな影響を与える可能性があります。例えば、心霊写真を見たことで実際に幽霊がいると感じてしまったり、雲に人の顔を見つけたことで不安な気持ちになったりする人もいるでしょう。