選好逆転現象とは、同じ個人が、同じ選択肢に対して、その選択肢が提示された状況や順番などによって、選択結果が逆転してしまう現象です。
例えば、以下の実験結果はよく知られています。
ある人々に、次の2つの籤を同時に提示し、どちらか1つを選ぶように言いました。
籤A:50%の確率で100万円、50%の確率で0円
籤B:25%の確率で200万円、75%の確率で0円
多くの被験者は、籤Aを選択しました。
次に、同じ人々に、籤Aと籤Bを別々に提示し、どちらか1つを選ぶように言いました。
多くの被験者は、籤Bを選択しました。
つまり、同じ人々が、同じ選択肢に対して、その選択肢が同時に提示された場合は籤Aを選択するのに、別々に提示された場合は籤Bを選択する、という結果になりました。
選好逆転現象は、さまざまな状況で起こり得る現象です。例えば、以下のような例が挙げられます。
衝動買い:商品を店頭で目の前にされると、買うつもりはなかったのに衝動的に買ってしまう
商品の価格設定:同じ商品でも、価格によって売れ行きが異なる
投資:同じ投資でも、状況によって投資判断が異なる
選好逆転現象は、人間の意思決定の不合理性を表す現象として、経済心理学や行動経済学などの分野で研究されています。