アノミー的自殺

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アノミー的自殺(アノミてきじさつ、英: anomic suicide)は、フランスの社会学者エミール・デュルケームが提唱した自殺の理論の一部です。デュルケームは、社会的要因が自殺率に影響を与えるという見解を提唱しました。その中でアノミとは、「規範の喪失」や「社会的混乱」を指し、社会的な変化や状況の不安定さによって生じる心理的な状態を表します。

アノミー的自殺は、社会的な規範や価値がぼんやりとした状態になり、個人が自己の役割や意義を見失ってしまうことで引き起こされるとされています。典型的な例は、急激な経済的変動や社会的な変革が起き、個人の生活や価値観が揺らぐ場合です。このような状況下で、人々は自分の生きがいや目標を見失い、孤立感や無力感を感じることがあり、それが自殺のリスクを高めるとされています。

デュルケームの理論によれば、社会的な結びつきや規範が弱まることでアノミーが増加し、それによって自殺率が上昇する可能性があるとされています。この概念は、社会学や心理学の研究において、自殺の理解や予防の一環として議論されてきました。

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