感応度逓減性とは?
感応度逓減性(かんのうどていげんせい)は、心理物理学および知覚心理学の概念です。これは、刺激の強度が一定の場合、その刺激に対する主観的な感じ方や知覚の変化が刺激の強度に比例せず、むしろ感じ方や知覚の変化が鈍くなっていく現象を指します。
具体的には、感応度逓減性は、刺激の強度が上昇するにつれて、その刺激に対する感じ方や知覚の変化が小さくなることを意味します。例えば、音の大きさや光の明るさに関して、刺激の強度が最初の段階では感じられる変化が大きいですが、刺激の強度が高くなるにつれて、感じられる変化が減少していくという現象です。
この現象は、人間の知覚システムが刺激に対して非線形的に反応することに起因しています。初めの方では小さな変化も感じやすいですが、刺激が強くなるにつれて、追加の刺激が同じような感じ方や知覚の変化を引き起こすためには、より大きな刺激の変化が必要になるのです。
感応度逓減性は、知覚のしきい値や物理的な刺激と主観的な感じ方の関係を説明するために使われます。また、音量調節や光の調節など、人間の感覚系を考慮する様々な応用においても重要な要素となります。