一貫性論争

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

一貫性論争とは、性格心理学における、”性格は各個人において一貫して変わらないもの”という立場と、”性格は一貫したものではなく、状況に応じてどんどん変化するもの”という立場の間の論争です。

1968年にアメリカの心理学者ウォルター・ミシェルによって提唱されました。ミシェルは、性格と行動の関連性を調べた実験で、性格特性と行動の間には相関があっても、その相関は必ずしも強くないことを明らかにしました。この結果から、ミシェルは性格は必ずしも一貫したものではなく、状況によって変化しうると主張しました。

ミシェルの主張は、当時の性格心理学において主流であった「特性論」に大きな衝撃を与えました。特性論は、性格は各個人に固有の安定した特性であり、その特性が行動を決定するという考え方です。ミシェルの主張は、この考え方を否定するもので、性格心理学における大きな転換点となりました。

一貫性論争は、その後も多くの研究によって検討され、現在では、性格は一貫したものではないという立場が主流となっています。ただし、性格と行動の間には相関があることも確かであり、性格は完全に状況に影響されるものでもありません。性格と行動の関連性を理解するためには、性格と状況の両方を考慮することが重要です。

一貫性論争の結論は、性格心理学における大きな進歩をもたらしました。性格は必ずしも一貫したものではないという認識は、性格の測定や評価、そして性格の改善や発達に関する研究に大きな影響を与えています。

https://clover.fcg.world/2016/07/02/5694/