泥棒洞窟実験とは、1954年から1961年にかけて、アメリカの社会心理学者モートン・シェリフらが行った実験です。この実験は、集団間の葛藤の発生と解消について検討することを目的としていました。
実験は、テキサス州オースティンの郊外にあるキャンプ場で行われました。参加者は、11歳から12歳の白人少年22名で、無作為に2つのグループに分けられました。各グループは、それぞれ「ライオンズ」と「イーグルス」という名前を与えられました。
実験の最初は、各グループは別々にキャンプ場で過ごしました。この期間中、グループのメンバーは共同活動などを行い、グループ内の仲間意識を強めました。
その後、グループ同士が接触する機会が設けられました。このとき、グループは賞品争奪ゲームやキャンプ場の占領ゲームなどの競争的な活動を行いました。この競争を通じて、グループ間の緊張が高まり、対立が激化しました。
対立が激化した後、グループ同士の接触は遮断されました。この期間中、グループはそれぞれ非協力的な態度をとるようになりました。
最後に、グループ同士の接触が再開されました。このとき、グループは共通の目標を達成するために協力する活動を行いました。この協力を通じて、グループ間の対立は解消され、友好的な関係が築かれました。
この実験の結果、次のことが明らかになりました。
- 希少な資源(賞品)をめぐる競争が集団間の葛藤を引き起こす。
- グループ間の接触だけでは、対立を解消することはできない。
- 目標を達成するための協力的相互依存関係が、対立の解消に効果的である。
この実験は、集団間関係に関する心理学研究の基礎となった重要な実験です。この実験の結果は、民族紛争や宗教対立など、さまざまな集団間対立の理解に役立っています。
また、この実験は、ビジネスや教育などの分野においても応用されています。例えば、部門間対立を解消するために、共通の目標を達成するためのプロジェクトを実施するなど、この実験の結果に基づいた取り組みが行われています。