一貫性の原理とは、人は自身の行動、発言、態度、信念などを一貫したものとしてあらせたいという心理を持つ傾向のこと

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一貫性の原理とは

一貫性の原理とは、人は自身の行動、発言、態度、信念などを一貫したものとしてあらせたいという心理を持つ傾向のことを指します。

簡単に言えば、「一度決めたことや言ったことは、最後まで貫きたい」という心理です。

この原理は、様々な場面で私たちの行動に影響を与えます。

  • 募金活動で、最初は断ろうと思っていたのに、募金箱を差し出されると募金してしまう。
  • アンケートで、本当は「どちらでもない」と思う選択肢なのに、周りの人が「賛成」を選んでいると自分も「賛成」を選んでしまう。
  • 友人と待ち合わせの時間に遅刻しそうなのに、待ち合わせ場所に早めに到着してしまう。

これらの例のように、人は一度決めたことや表明したことに対して、矛盾が生じることを避けようとする傾向があります。

一貫性の原理の背景

一貫性の原理が働く背景には、いくつか考えられます。

  • 社会的評価:人は、周囲から誠実で信頼できる人と評価されたいという欲求を持っています。一貫性のある言動は、こうした欲求を満たすのに役立ちます。
  • 認知の節約:人は、常に新しい情報を処理し、意思決定をする必要があります。一貫性の原理に従うことで、認知にかかる負担を軽減することができます。
  • 自己イメージの維持:人は、自分自身についてある程度の一貫したイメージを持っています。一貫性の原理に従うことで、この自己イメージを維持することができます。

一貫性の原理の活用

一貫性の原理は、マーケティングや説得など、様々な場面で活用することができます。

  • フリートライアル:商品やサービスを無料で試用できる期間を設けることで、消費者は実際に商品やサービスに触れ、購入へのコミットメントを高めることができます。
  • アンケート:アンケートの冒頭で、簡単な質問をいくつか設けることで、回答者はアンケート全体に対して協調的な態度を取りやすくなります。
  • コミットメントデバイス:目標達成のために、公衆の面前で宣言したり、お金を賭けたりすることで、目標達成へのコミットメントを高めることができます。

ただし、一貫性の原理を悪用することは倫理的に問題となる場合があります。例えば、悪徳商法者は、消費者に高額な商品を購入させるために、巧妙な言葉遣いで一貫性の原理を利用することがあります。

まとめ

一貫性の原理は、人間の普遍的な心理の一つであり、様々な場面で私たちの行動に影響を与えます。この原理を理解することで、自分自身や周囲の人々の行動をより深く理解することができます。また、マーケティングや説得などの場面で、この原理を効果的に活用することで、より良い結果を得ることができます。