心理学における消去とは、条件づけによって形成された反応が、強化されなくなると徐々に減少していく現象です。
消去は、オペラント条件づけと古典的条件づけの両方で起こります。
オペラント条件づけにおける消去
オペラント条件づけにおいては、行動が強化されると、その行動は繰り返されるようになります。しかし、強化されなくなると、その行動は徐々に減少していきます。
例えば、犬に「お座り」というコマンドによってお座りをさせるように条件づけしたとします。このとき、犬が「お座り」をすると、おやつを与えることで強化します。しかし、おやつを与えることをやめてしまうと、犬は「お座り」をするようになくなります。
古典的条件づけにおける消去
古典的条件づけにおいては、条件刺激と無条件刺激を繰り返し提示することで、条件反射が形成されます。しかし、条件刺激と無条件刺激の提示を中断すると、条件反射は消失していきます。
例えば、犬にベルを鳴らしてからご飯を与えることで、ベルの音に対して唾液を出す条件反射を形成したとします。このとき、ベルを鳴らしてもご飯を与えないことを続けると、犬はベルの音に対して唾液を出すようになります。
消去は、問題行動の改善や新しい行動の学習に役立ちます。例えば、子どもが泣いて駄々をこねているときに、泣いても駄々をこねても何も与えないこと続けることで、泣いて駄々をこねる行動を消去することができます。また、新しい行動を学習させるために、その行動を強化することで、その行動が繰り返されるようになります。
消去には、消去バーストと呼ばれる現象が起こることがあります。消去バーストとは、消去が始まった直後に、消去されるはずの行動が急に増加する現象です。これは、行動が強化されなくなることに伴って、行動の強度が増加するためです。消去バーストは、消去が進むにつれて減少していきます。
消去は、行動を改善するために効果的な手法ですが、消去バーストが起こることを理解しておくことが大切です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%88%E5%8E%BB_(%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6)