超自我とは、フロイトの精神分析理論における概念で、自我とイドの間の調節役を担います。超自我は、幼少期の両親や周囲の大人から受けたしつけや教育によって形成され、社会の規範や道徳観、理想などを内在化しています。
超自我には、以下の2つの機能があります。
自我理想:自我が目指すべき理想的な姿を示す。
良心:自我が道徳的に許容できない行動をとったときに、罪悪感や罪責感を与える。
超自我は、自我を社会の規範や道徳に沿った行動をするよう促します。例えば、食べたいものを食べたいときには、イドがその欲求を強く要求しますが、超自我は「食べ過ぎはよくない」という道徳観を思い出させ、自我を抑制します。
超自我は、自我の成長と発達に重要な役割を果たします。しかし、過剰な超自我は、自我の自由な意思決定を妨げ、抑圧や強迫観念などの精神症状を引き起こすこともあります。
超自我の言い換えとしては、「理性」「良心」「理想」「道徳観」などが挙げられます。
自我と超自我の違いは、以下の通りです。
機能 自我 超自我
役割 イドと外界との調節役 自我の調節役
起源 生得的 後天的
内容 イドの欲求、外界の要求 両親や周囲の大人からのしつけや教育
機能 イドの欲求を実現する 自我を道徳的に導く
自我と超自我は、対立する存在であるように思われますが、相互作用によって、人間の適応的な行動を促進しています。