コンティンジェンシー理論とは、リーダーシップ理論のひとつであり、状況によって最適なリーダーシップスタイルは異なるという考え方です。
コンティンジェンシー理論では、リーダーシップスタイルは、以下の3つの要素によって決定されるとされています。
- フォロワーの特性
- タスクの特性
- 組織の特性
フォロワーの特性とは、フォロワーの能力や経験、動機などのことです。タスクの特性とは、タスクの複雑さや緊急性などのことです。組織の特性とは、組織の文化や構造などのことです。
たとえば、フォロワーが能力や経験が豊富で、タスクが複雑で緊急性が高い場合、リーダーは、指示と支援を重視したリーダーシップスタイルをとることが有効であると考えられます。一方、フォロワーが能力や経験が不足していて、タスクが単純で緊急性が低い場合、リーダーは、参加と委譲を重視したリーダーシップスタイルをとることが有効であると考えられます。
コンティンジェンシー理論は、状況に応じてリーダーシップスタイルを適切に選択することが重要であることを示しています。
コンティンジェンシー理論の代表的な研究として、フィリップ・フィドラーの「フィドラー・モデル」が挙げられます。フィドラー・モデルでは、リーダーシップスタイルを「構造化されたリーダーシップ」と「非構造化されたリーダーシップ」の2つに分類し、状況によってどちらのリーダーシップスタイルが有効であるかを検討しています。
フィドラー・モデルによると、状況は、フォロワーの特性、タスクの特性、組織の特性によって、以下の8つのタイプに分類されます。
- タイプ1:有利な状況
- タイプ2:やや有利な状況
- タイプ3:中立的な状況
- タイプ4:やや不利な状況
- タイプ5:不利な状況
- タイプ6:非常に不利な状況
フィドラー・モデルによると、構造化されたリーダーシップは、有利な状況ややや有利な状況で有効であり、非構造化されたリーダーシップは、不利な状況や非常に不利な状況で有効であるとされています。
コンティンジェンシー理論は、リーダーシップ研究において重要な理論であり、多くの研究者によって検証が行われてきました。