返報性の原理とは、相手から何かを受け取ったときに、お返しをしなければならないという気持ちになる心理効果のことです。
返報性の原理の具体例
具体的な具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 友人や同僚に何かしてもらったとき、何かお返しをしたい気持ちになる
- 店員の丁寧な接客を受けたとき、商品を購入したくなる
- 試着や試食をさせてもらったとき、購入したくなる
- プレゼントをもらったとき、お礼を言ったり、何かお返しをしたい気持ちになる
- 誰かに助けてもらったとき、その人に感謝の気持ちを伝えたり、何かお返しをしたい気持ちになる
返報性の原理とは?マーケティングで活用する事例や注意点 | DESIGN α Knowledge
返報性の原理の特徴
返報性の原理の特徴は、以下のとおりです。
人間にとってごく自然な心理である
返報性の原理は、人間が社会生活を営む上で重要な役割を果たしています。例えば、相手から何かをもらったら、お返しをすることで、相手との関係を円滑に保つことができます。また、お返しをすることで、相手への感謝の気持ちを表現することもできます。
相手からの好意に限らず、敵意にも反応する
返報性の原理は、相手からの好意だけでなく、敵意にも反応します。例えば、誰かに嫌なことをされたら、その人に対して嫌な気持ちになり、仕返しをしたいと考えてしまいます。
無意識のうちに働く
返報性の原理は、無意識のうちに働くため、本人が気づいていないこともあります。例えば、店員から丁寧な接客を受けたとき、その店員から何かを買わなければいけないという気持ちになることがあります。
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返報性の原理に関する実験
返報性の原理に関する実験は数多く行われていますが、ここでは有名な2つの実験を紹介します。
1. デニス・リーガンの実験
この実験では、実験参加者にジュースを無料で渡した後に、福引券の購入を依頼しました。その結果、ジュースを渡されたグループの方が、渡されなかったグループよりも福引券を購入する確率が高くなりました。これは、ジュースをもらったことへの「お返し」として、福引券を購入しようとしたと考えられます。
2. ベリーとカノウズの実験
この実験では、アンケート調査への回答率を高めるために、返報性の原理を用いました。参加者を2つのグループに分け、一方のグループにはアンケート回答のお礼として50円の切手を送りました。一方、もう一方のグループには何も送りませんでした。その結果、切手を送ったグループの回答率は、何も送らなかったグループよりも2倍高くなりました。
参考URL:
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返報性の原理の種類
返報性の原理には、大きく分けて以下の4つの種類があります。
好意の返報性
これは、相手から好意や親切を受けたときに、お返しやお礼をしたくなる心理のことです。例えば、誰かに道を教えてもらったら、お礼をしたり、自分も道を教えてあげたりしたくなるものです。
敵意の返報性
これは、相手から敵意や攻撃を受けたときに、同じように敵意や攻撃で返したくなる心理のことです。例えば、誰かにからかわれたら、自分もからかってみたくなったり、喧嘩に発展したりするものです。
譲歩の返報性
これは、相手が譲歩してくれたときに、自分も譲歩したくなる心理のことです。例えば、交渉の場で、相手が要求を下げてくれたら、自分も要求を下げてみたくなったりします。
自己開示の返報性
これは、相手が自分のことを開示してくれたときに、自分も自分のことを開示したくなる心理のことです。例えば、初対面の人と話していて、相手が自分の趣味や好きなことを話してくれたら、自分も自分の趣味や好きなことを話したくなります。
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返報性の原理を活用する場面
返報性の原理は、様々な場面で有効活用できます。以下に、具体的な例をいくつか挙げます。
1. ビジネス
- 顧客との関係構築
- 無料サンプルや割引クーポンを提供することで、顧客に好意を抱いてもらい、購買意欲を高める。
- 顧客のニーズに丁寧に耳を傾け、迅速に対応することで、顧客からの信頼を得て、リピーターを増やす。
- 営業
- 顧客に有益な情報を提供したり、相談に親身になって乗ることで、顧客との信頼関係を築き、成約率を高める。
- 最初は小さな提案から始め、徐々に大きな提案へとステップアップすることで、顧客の承諾を得やすくする。
- マーケティング
- 商品やサービスの体験版を提供することで、顧客の購買意欲を高める。
- 顧客の口コミやレビューを積極的に活用することで、商品の信頼性を高め、購買意欲を高める。
2. 人間関係
- 信頼関係の構築
- 相手の好意や親切に感謝の気持ちを伝え、積極的に返礼することで、信頼関係を築き、より深い関係を築く。
- 相手の話をよく聞き、共感を示すことで、相手との距離を縮め、親密な関係を築く。
- 困っている人を助ける
- 困っている人を助けることで、相手からの感謝の気持ちを得られるだけでなく、自分も気持ち良い気分になれる。
- 困っている人を助けることで、周囲からの信頼を得られる。
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返報性の原理とは?マーケティングで活用する事例や注意点 | DESIGN α Knowledge
返報性の原理を活用するコツ
返報性の原理を活用するコツは、以下のとおりです。
相手に貸しをつくる
返報性の原理は、相手に何かをしてもらったときにお返しをしたくなる心理効果です。そのため、まずは相手に対して貸しをつくることが大切です。貸しとは、金銭的なものでも、何らかの好意でも構いません。ただし、過大な見返りを求めない、相手が戸惑わない程度の行為であることが肝心です。
お返しを期待しない
返報性の原理は、相手から何かをもらったときにお返しをしたくなる心理効果です。そのため、お返しを期待しないことが大切です。お返しを期待しすぎると、相手にプレッシャーを与えてしまい、逆効果になる可能性があります。
自然に行う
返報性の原理は、自然に行うことが大切です。わざとらしすぎる行為は、相手に不信感を与えてしまいます。そのため、相手に好意を持ってもらえるような、自然な行為を心がけましょう。
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返報性の原理を活用する際の注意点
返報性の原理を活用する際の注意点は、以下のとおりです。
見返りを求めない
返報性の原理を活用する際は、見返りを求めないことが大切です。見返りを求めると、相手に下心を感じさせてしまい、返報性の原理が働きにくくなります。
相手とのバランスを取る
返報性の原理は、あくまでも相手とのバランスが取れていることが大前提です。相手が望んでいないものを提供するなど、バランスが崩れた場合は、返報性の原理が働きにくくなります。
相手の負担を考えない
返報性の原理は、相手に負担をかけてはいけません。相手が負担を感じてしまうと、返報性の原理が働かず、逆効果になる可能性があります。
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返報性の法則が通用しない人や場面
返報性の法則は、多くの人間関係において有効な心理法則ですが、必ずしも万能ではありません。
1. 相手が求めていないものを与えたとき
相手にとって不要なプレゼントや、ニーズに合致していない贈り物には、返報性の法則は働きにくいです。むしろ、相手に負担をかけてしまう可能性もあります。
2. 相手が気軽に返礼できないとき
時間や経済的な事情などにより、相手が気軽に返礼できない状況では、返報性の法則は効果を期待できません。
3. 見返りを求めていることが露骨なとき
相手に何かを期待して好意を示す場合、その意図が透けてしまうと、相手は返礼する義務を感じにくくなります。
参考URL:
返報性の原理が効かない人、効果が薄い場面について | メンタルの強化書
返報性の原理の同義語、類義語、関連語、反対語
- 返報性の法則