返報性の原理とは、相手から何かを受け取ったときに、お返しをしなければならないという気持ちになる心理効果のことです。
返報性の原理の具体例
具体的な具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 友人や同僚に何かしてもらったとき、何かお返しをしたい気持ちになる
- 店員の丁寧な接客を受けたとき、商品を購入したくなる
- 試着や試食をさせてもらったとき、購入したくなる
- プレゼントをもらったとき、お礼を言ったり、何かお返しをしたい気持ちになる
- 誰かに助けてもらったとき、その人に感謝の気持ちを伝えたり、何かお返しをしたい気持ちになる
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返報性の原理の特徴
返報性の原理の特徴は、以下のとおりです。
人間にとってごく自然な心理である
返報性の原理は、人間が社会生活を営む上で重要な役割を果たしています。例えば、相手から何かをもらったら、お返しをすることで、相手との関係を円滑に保つことができます。また、お返しをすることで、相手への感謝の気持ちを表現することもできます。
相手からの好意に限らず、敵意にも反応する
返報性の原理は、相手からの好意だけでなく、敵意にも反応します。例えば、誰かに嫌なことをされたら、その人に対して嫌な気持ちになり、仕返しをしたいと考えてしまいます。
無意識のうちに働く
返報性の原理は、無意識のうちに働くため、本人が気づいていないこともあります。例えば、店員から丁寧な接客を受けたとき、その店員から何かを買わなければいけないという気持ちになることがあります。
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返報性の原理に関する実験
返報性の原理に関する実験は、多くの心理学者によって行われてきました。その中でも、最も有名な実験のひとつが、アメリカの心理学者デニス・リーガン氏が1971年に発表した論文で紹介された実験です。
この実験では、被験者であるスタンフォード大学の男子学生81人に、美術品の複製を鑑賞して評価するという「偽の課題」を与えました。その後、被験者は仕掛け人と名乗る人物と会話する機会を与えられました。仕掛け人は、被験者に対して、コーラを1本差し出したり、美術品の鑑賞を助けてくれたりしました。
最後に、仕掛け人がスタンフォード大学の学生自治会のチケットを売っていることを知り、被験者たちはそのチケットを購入するかどうかを尋ねられました。その結果、仕掛け人から何かしてもらったことのある被験者は、何もしてもらっていない被験者よりも、チケットを購入する可能性が高くなりました。
この実験結果から、返報性の原理は、他人から何かをしてもらうことで、その相手に対して好感を持ち、さらには何かをしてあげたくなるという心理が働いていることが示唆されています。
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返報性の原理の種類
返報性の原理には、大きく分けて以下の4つの種類があります。
好意の返報性
これは、相手から好意や親切を受けたときに、お返しやお礼をしたくなる心理のことです。例えば、誰かに道を教えてもらったら、お礼をしたり、自分も道を教えてあげたりしたくなるものです。
敵意の返報性
これは、相手から敵意や攻撃を受けたときに、同じように敵意や攻撃で返したくなる心理のことです。例えば、誰かにからかわれたら、自分もからかってみたくなったり、喧嘩に発展したりするものです。
譲歩の返報性
これは、相手が譲歩してくれたときに、自分も譲歩したくなる心理のことです。例えば、交渉の場で、相手が要求を下げてくれたら、自分も要求を下げてみたくなったりします。
自己開示の返報性
これは、相手が自分のことを開示してくれたときに、自分も自分のことを開示したくなる心理のことです。例えば、初対面の人と話していて、相手が自分の趣味や好きなことを話してくれたら、自分も自分の趣味や好きなことを話したくなります。
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返報性の原理を活用する場面
相手に好印象を与えたいとき
相手に好印象を与えたいときは、まずは自分から何かをしてあげましょう。例えば、会話の中で相手の話をよく聞き、共感的な反応を示すことで、相手は「この人は自分のことをよく理解してくれている」と感じ、好意を抱きやすくなります。
相手に協力してもらいたいとき
相手に協力してもらいたいときは、最初に何かしてもらいましょう。例えば、相手に簡単な質問をして、答えてもらったあとに、自分ができることをお願いすることで、相手は「お返しをしなければ」と感じ、協力してくれる可能性が高くなります。
商品やサービスを購入してもらうとき
商品やサービスを購入してもらうときも、返報性の原理を活用することができます。例えば、商品を試してもらったり、サービスを紹介したりすることで、相手は「お返しに購入しなければ」と感じ、購入してくれる可能性が高くなります。
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返報性の原理を活用するコツ
返報性の原理を活用するコツは、以下のとおりです。
相手に貸しをつくる
返報性の原理は、相手に何かをしてもらったときにお返しをしたくなる心理効果です。そのため、まずは相手に対して貸しをつくることが大切です。貸しとは、金銭的なものでも、何らかの好意でも構いません。ただし、過大な見返りを求めない、相手が戸惑わない程度の行為であることが肝心です。
お返しを期待しない
返報性の原理は、相手から何かをもらったときにお返しをしたくなる心理効果です。そのため、お返しを期待しないことが大切です。お返しを期待しすぎると、相手にプレッシャーを与えてしまい、逆効果になる可能性があります。
自然に行う
返報性の原理は、自然に行うことが大切です。わざとらしすぎる行為は、相手に不信感を与えてしまいます。そのため、相手に好意を持ってもらえるような、自然な行為を心がけましょう。
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返報性の原理を活用する際の注意点
返報性の原理を活用する際の注意点は、以下のとおりです。
見返りを求めない
返報性の原理を活用する際は、見返りを求めないことが大切です。見返りを求めると、相手に下心を感じさせてしまい、返報性の原理が働きにくくなります。
相手とのバランスを取る
返報性の原理は、あくまでも相手とのバランスが取れていることが大前提です。相手が望んでいないものを提供するなど、バランスが崩れた場合は、返報性の原理が働きにくくなります。
相手の負担を考えない
返報性の原理は、相手に負担をかけてはいけません。相手が負担を感じてしまうと、返報性の原理が働かず、逆効果になる可能性があります。
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返報性の原理の同義語、類義語、関連語、反対語
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