サンプリングバイアスとは、母集団(調査対象となる全体)からサンプリング(抽出)する際に、特定の属性や特徴を持つ個人や集団が過剰または過少に抽出されることで、母集団の代表的なサンプルが得られなくなるバイアスのこと

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サンプリングバイアスとは、母集団(調査対象となる全体)からサンプリング(抽出)する際に、特定の属性や特徴を持つ個人や集団が過剰または過少に抽出されることで、母集団の代表的なサンプルが得られなくなるバイアスのことです。

例えば、ある国に関する世論調査を行う場合、その国に住むすべての人を対象に調査を行うことは現実的ではありません。そのため、代表的なサンプルを得るために、電話帳や住民票などから無作為に抽出した人々を対象に調査を行うことが多いでしょう。しかし、電話帳や住民票には、若年層や低所得者層などの情報が十分に含まれていない場合があり、これらの層の意見が過少に反映される可能性があります。これが、サンプリングバイアスの例です。

サンプリングバイアスは、さまざまな場面で影響を及ぼす可能性があります。例えば、

  • 世論調査においては、サンプリングバイアスが働くことで、世論の正確な把握が困難になることがあります。
  • マーケティングにおいては、サンプリングバイアスが働くことで、商品やサービスのニーズを正確に把握できず、失敗につながることがあります。
  • 科学研究においては、サンプリングバイアスが働くことで、研究結果が歪められ、誤った結論に導かれることがあります。

サンプリングバイアスを軽減するためには、以下のことに気をつけましょう。

  • 母集団の特徴を十分に理解した上で、サンプルを抽出する
  • 複数の方法でサンプルを抽出し、その結果を比較する
  • サンプルの偏りを検出するための統計手法を利用する

サンプリングバイアスに気づき、意識的にコントロールすることで、より正確な結果を得ることができます。

サンプリングバイアスの種類には、以下のようなものがあります。

  • 選択バイアス:調査者が、特定の属性や特徴を持つ個人や集団を過剰に抽出してしまうバイアスです。例えば、世論調査において、調査員が自ら賛成している政党の支持者に質問を集中して行うことで、自党の支持率が高く出る結果になる可能性があります。
  • 非応答バイアス:調査に応答する人と応答しない人の間に、特定の属性や特徴の違いがある場合に生じるバイアスです。例えば、世論調査において、忙しい人や興味のない人は調査に応答しない傾向があるため、これらの層の意見が過少に反映される可能性があります。
  • 生存者バイアス:調査対象となる集団から、特定の属性や特徴を持つ個人や集団が過剰に抽出されてしまうバイアスです。例えば、ある企業の退職者に関する調査において、退職後に再就職した人だけを対象に調査を行うことで、退職後に再就職できなかった人の意見が過少に反映される可能性があります。

サンプリングバイアスを軽減するためには、これらの種類のバイアスについて理解し、適切な対策を講じることが重要です。

参考URL:
サンプリング・バイアス:種類、例、回避方法|QuestionPro