アビリーンのパラドックス

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アビリーンのパラドックス とは?

アビリーンのパラドックスは、意思決定理論の一つであり、グループの意見形成に関するパラドックスです。このパラドックスは、個々のメンバーがグループの全体的な意見を支持しながらも、グループの決定が個々のメンバーの望む結果とは異なる場合に生じます。

アビリーンのパラドックスの具体的なシナリオは、以下のような状況を想定します。グループのメンバーたちは、レストランに行くことを提案し、その提案に全員が同意します。しかし、実際に車に乗り込んでアビリーンという遠い町に行くとなると、個々のメンバーは実はそのアイデアに反対していたことが明らかになります。それぞれのメンバーは、他のメンバーが賛成していることに同調するために自分の本当の意見を抑制し、結果的にグループの全体的な意見を支持することになります。

このパラドックスは、グループの意思決定プロセスにおいて、個々のメンバーが自己表現を抑制することで生じる現象を指摘しています。個々のメンバーは、グループの調和や一致を重視するために、自分の意見や懸念を表明することをためらう場合があります。その結果、グループは意見の多様性や批判的な議論を欠き、一致団結した意見を形成する一方で、メンバーの個別の意見が反映されない場合があります。

アビリーンのパラドックスは、グループの意思決定プロセスを改善する上で重要な考え方です。意思決定において、メンバーの個別の意見や懸念を包括的に考慮すること、議論やディベートを促進することが重要です。意見の多様性や異なる視点を尊重することで、より妥当な意思決定がなされる可能性が高まります。

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