ポジショントークとは、自分の立場に有利になるような発言をすること

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ポジショントークとは、自分の立場に有利になるような発言をすることです。主張やポリシーが一貫性がなく、その時々で自分に都合がいいような発言をしてしまうことが特徴です。

ポジショントークの特徴

ポジショントークの特徴は、以下の3つが挙げられます。

主張やポリシーに一貫性がない

ポジショントークでは、自分の立場や立場によって有利になるように、主張やポリシーを都合よく変えてしまいます。そのため、一貫性がなく、矛盾した発言をしてしまうことがあります。

例えば、自分が顧客(需要者側)の時は、「自分は客だ。だから、サービスや商品は完璧でなければいけない」と主張する一方で、自分が業者(供給者側)の時は、「顧客は完璧を求めすぎだ。多少の不具合は仕方がない」と主張するような場合です。

自分の立場や利益を優先する

ポジショントークでは、自分の立場や利益を優先して発言するため、客観的な意見や判断を下すことができません。そのため、自分の立場や利益に反する事実や意見は、意図的に無視したり、歪曲したりしてしまうことがあります。

例えば、自分が特定の企業の株主の時は、その企業の業績が悪化したとしても、「まだ大丈夫だ。すぐに回復するだろう」と主張するような場合です。

真実や事実を歪曲する

ポジショントークでは、自分の立場や利益を有利にするために、真実や事実を歪曲したり、誤解を招くような表現をしたりすることがあります。そのため、相手の判断を誤らせ、自分の意図通りの結果を導き出すことができます。

例えば、自分が特定の政治家の支持者である時は、その政治家の政策を過剰に評価したり、批判的な意見を排除したりするような場合です。

参考URL:
ポジショントーク - Wikipedia

ポジショントークの原因

ポジショントークの原因は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

自己防衛本能

ポジショントークを行う人は、自分の立場や利益を守るために、自分の意見や主張を正当化しようとします。そのため、自分の立場や利益に有利となるような発言をしてしまうのです。

バイアス

人は誰でも、自分の考えや意見に偏りを持っています。そのため、自分の立場や利益に有利となるような情報や事実に注目し、それらを根拠に自分の主張を強化しようとします。

社会的期待

人は、自分の役割や立場によって、ある程度の発言や行動が期待されています。例えば、上司は部下に対して指示を出す役割を期待されています。そのため、上司は部下に対して指示を出すために、部下が指示を受け入れやすいような発言をしてしまうのです。

参考URL:
ポジショントークとは?意味・問題点を例で解説【日常での使い方、金融機関での使われ方】 | GLOBIS 知見録×学び放題

ポジショントークの具体例

ポジショントークの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

金融市場におけるポジショントーク

株式市場や為替市場、先物・オプション市場において、買い持ちや売り持ちのポジションを保有している著名な市場関係者が、自分のポジションに有利な方向へ相場を動くように、市場心理を揺さぶる発言をマスメディア・媒体などを通して行うこと。

例えば、ある著名な投資家が、ある特定の銘柄の買い持ちポジションを保有しているとします。その投資家は、その銘柄の将来性について楽観的な見通しを示し、買い推奨のコメントをマスメディアで発信することがあります。この発言は、投資家の買い持ちポジションにとって有利な方向に相場を動かす効果を狙ったポジショントークと言えます。

政治家や官僚によるポジショントーク

政治家や官僚は、自分の立場や政党の利益を守るために、ポジショントークを行うことがあります。

例えば、ある政治家が、自分の政党の政策を支持する発言をすることがあります。この発言は、その政治家の政党の支持率を上げ、政権を維持するために有利な方向に世論を動かす効果を狙ったポジショントークと言えます。

企業によるポジショントーク

企業は、自社の商品やサービスの販売を促進するために、ポジショントークを行うことがあります。

例えば、ある企業が、自社の商品やサービスの優位性を強調する発言をすることがあります。この発言は、消費者の購買意欲を高め、自社の商品やサービスの売上を伸ばすために有利な方向に世論を動かす効果を狙ったポジショントークと言えます。

個人によるポジショントーク

個人は、自分の利益や立場を守るために、ポジショントークを行うことがあります。

例えば、ある個人が、自分の意見や主張を正当化するために、客観的な根拠を歪曲したり、事実を曲げたりしながら発言することがあります。この発言は、その個人の意見や主張を支持する人々の数を増やし、自分の利益や立場を守るために有利な方向に世論を動かす効果を狙ったポジショントークと言えます。

参考URL:
ポジショントーク|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA

ポジショントークのデメリット

ポジショントークには、以下のようなデメリットがあります。

信頼を失う

ポジショントークを行うと、自分の立場を利用して自分を有利にしようとしていると、相手に思われてしまう可能性があります。そうすると、相手から信頼を失い、関係性が悪化する恐れがあります。

議論が進まない

ポジショントークでは、自分の意見を押し通そうとする傾向があります。そのため、議論が白熱したり、対立したりする可能性があり、建設的な議論が進まない可能性があります。

視野が狭まる

ポジショントークでは、自分の立場からしか物事を見ることができない可能性があります。そのため、視野が狭まり、新たな発想やアイデアが生まれにくくなる可能性があります。

参考URL:
その意見正しい?ポジショントークのメリットとデメリット | キャリサポ 公式 | 20代専門の転職支援サービス

ポジショントークの対処法

ポジショントークの対処法は、大きく分けて以下の3つがあります。

相手にポジショントークであることを指摘する

相手にポジショントークであることを指摘することで、相手が自分の主張を客観的に検証するきっかけになる可能性があります。

例えば、相手が「私は部長だから、私の言う通りにしてください」と言った場合は、「それはポジショントークですね。部長だから正しいとは限りません。具体的な理由を教えてください」と指摘することができます。

客観的な視点やデータから主張する

ポジショントークは、主観的な意見や感情に基づくものであることが多いため、客観的な視点やデータから主張することで、相手に自分の主張を認めてもらいやすくなります。

例えば、相手が「この商品は絶対に売れます」と言った場合は、「過去のデータによると、この商品の類似品はほとんど売れませんでした。なぜこの商品が売れると思いますか」と質問することで、相手に自分の主張を裏付けさせることができます。

感情的にならず、冷静に対応する

ポジショントークによって感情的になると、議論が感情的な対立に発展してしまう可能性があります。そのため、ポジショントークに対しては、感情的にならず、冷静に対応することが大切です。

例えば、相手が「あなたは何もわかっていない」と言った場合は、「それはあなたの意見です。私は客観的な視点から主張しています」と冷静に受け流すことで、議論を客観的な方向に導くことができます。

参考URL:
話し方教室東京 教養講座|議論での「ポジショントーク」に、どう対応すべき? | 日本コミュニケーション学院(東京)

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