割増原理とは、心理学において、ある結果に対して、促進要因のみが存在する場合よりも、もっともらしい抑制要因と促進要因の両方が存在する場合の方が、促進的要因の役割はより大きいと判断されるという原理です。
1972年に、アメリカの社会心理学者ハロルド・ケリーが提唱しました。
ケリーは、人は、結果に至るまでの過程を、もっともらしい原因と結果の因果関係によって説明しようとすると説明し、割増原理はその考えに基づくものです。
割増原理は、以下の要因によって生じると考えられています。
- 抑制要因の存在:抑制要因の存在は、結果の達成が困難であることを示唆し、その結果に対して、促進要因の役割をより重要なものとして認識させる。
- 促進要因の存在:促進要因の存在は、結果の達成が容易であることを示唆し、その結果に対して、- 促進要因の役割をより重要なものとして認識させる。
割増原理は、日常生活のさまざまな場面で見られ、以下のような例が挙げられます。
- テストの点数が良かったのは、好きなゲームを我慢してまで勉強をしたからだ。
- 試合に勝ったのは、相手チームが強かったからだ。
- プレゼンテーションが成功したのは、準備を入念にしてきたからだ。
割増原理は、マーケティングや広告においても、効果的に活用されています。
例えば、商品やサービスの販売促進において、促進要因として割引やプレゼントなどを提供することで、商品やサービスの価値を高め、購入を促進することができます。
また、商品やサービスの宣伝において、促進要因として商品やサービスの優れた機能や性能を強調することで、商品やサービスの価値を高め、購入を促進することができます。
割増原理は、人間の心理に根ざした強力な効果を持つため、マーケティングや広告においては、有効に活用できる心理効果と言えるでしょう。
具体的な応用例としては、以下のようなようなものが挙げられます。
- 商品やサービスの販売促進において、割引やプレゼントなどの促進要因を提供する
- 商品やサービスの宣伝において、商品やサービスの優れた機能や性能を強調する
- 商品やサービスの認知度を高めるために、有名人やインフルエンサーを起用する
割増原理を理解することで、マーケティングや広告の戦略立案やクリエイティブの制作において、より効果的な成果を上げることができるでしょう。
参考URL:
割引原理と割増原理 | Dive into Myself