(心理学における)帰属

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心理学における帰属とは、ある出来事や行動の原因を説明する心的過程のこと、すなわち誰かもしくは何かのせいにすることである。社会心理学における構成概念の一つである。

帰属を行うことで、人は現実を理解し、意思決定したり、他人の行動を予測したりすることができるようになる。しかし、帰属は必ずしも正確なものではなく、認知バイアスの影響を受けやすい。

帰属を行う際には、次の2つの要素を考慮する必要がある。

帰属の対象(誰が、何をしたのか)
帰属の原因(なぜ、その行動をしたのか)
帰属の対象は、個人や集団、状況など、さまざまなものがある。帰属の原因は、内的な要因(能力、意図、性格など)と外的な要因(状況、運など)に分けられる。

帰属の対象と原因の組み合わせによって、帰属のタイプは次の4つに分類される。

内的帰属:個人の内的な要因を原因とする帰属
外的帰属:個人の外的な要因を原因とする帰属
恒常的帰属:状況が変化しても変わらない原因を原因とする帰属
一時的帰属:状況が変化すると変わる原因を原因とする帰属
帰属は、私たちの行動や感情に大きな影響を与える。例えば、ある人がテストで良い点を取った場合、その人は自分の能力を高く評価するようになる。逆に、テストで悪い点を取った場合、その人は自分の能力を低く評価するようになる。

帰属は、私たちの社会生活にも影響を与える。例えば、ある人が仕事で失敗した場合、その人の上司は、その人の能力や意欲の問題であると考える可能性がある。逆に、その人の上司が、その人の失敗は状況的な問題であると考える場合は、その人を助けようとする可能性が高い。

帰属バイアスとは、帰属を行う際に、認知バイアスの影響を受けて、偏った帰属をしてしまうことである。帰属バイアスには、次のようなものがある。

自己奉仕バイアス:自分の成功は自分の能力や努力のせいであると考える一方で、失敗は運や状況のせいであると考える傾向
他責バイアス:他人の成功は運や状況のせいであると考える一方で、失敗は他人の能力や意図のせいであると考える傾向
敵意帰属バイアス:他人の曖昧な行動を、敵対的であると解釈する傾向
帰属バイアスは、私たちの判断や行動に偏りを生じさせ、人間関係や社会生活に悪影響を及ぼす可能性がある。

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