ウォルピ

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ジョセフ・ウォルピは、南アフリカ出身の精神科医であり、行動療法の分野で最も影響力のある人物の一人です。彼は、1950年代に「系統的脱感作法」と呼ばれる治療法を開発し、不安障害や恐怖症の治療に大きな貢献をしました。

ウォルピは、不安や恐怖は、古典的条件づけによって生じていると主張しました。古典的条件づけとは、ある刺激と別の刺激を繰り返し一緒に提示することで、それらを関連づけさせる学習のことです。例えば、犬に雷の音と電気ショックを同時に提示すると、やがて雷の音だけでも犬は恐怖を感じるようになるという実験結果があります。

ウォルピは、系統的脱感作法において、不安や恐怖の対象となる刺激を、患者が不安を感じない程度の軽い刺激から徐々に強くなっていく刺激へと、段階的に提示していきます。患者は、その際に、リラックスできる状態を維持します。これにより、不安や恐怖の対象となる刺激と、リラックスした状態を関連づけさせ、不安や恐怖を克服することができるのです。

系統的脱感作法は、不安障害や恐怖症の治療において、現在も広く用いられている有効な治療法です。ウォルピの業績は、行動療法の分野に大きな影響を与え、現代の心理療法の基礎を築いたと言っても過言ではありません。

ウォルピのその他の主な業績としては、逆制止法の開発、行動療法の理論的体系化、行動療法の普及活動などが挙げられます。

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