分離脳

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分離脳とは、左右の大脳半球をつなぐ脳梁が切断された状態を意味します。脳梁は、左右の大脳半球をつなぐ重要な神経線維束で、情報のやり取りを担っています。脳梁が切断されると、左右の大脳半球は完全に分断され、それぞれが独立した意識を持ち、異なる情報を処理するようになります。

分離脳は、てんかんの治療のために脳梁を切断する手術を受けた患者に多く見られます。また、脳卒中や脳外傷などの疾患によって脳梁が損傷することでも発生する可能性があります。

分離脳患者の行動は、左右の大脳半球の機能の違いを反映しています。左半球は、言語、記憶、論理的な思考などの機能を司り、右半球は、視覚、空間認識、感情などの機能を司ります。そのため、分離脳患者は、左半球にのみ情報を提示すると、左半球の機能に影響を与える行動を取ることができます。例えば、左半球に言葉を示すことで、患者は言葉を理解して答えることができます。一方、右半球に情報を提示すると、右半球の機能に影響を与える行動を取ることができます。例えば、右半球に絵を示すことで、患者は絵を認識して絵に描かれている物体の名前を答えることができます。

分離脳患者の研究は、脳の機能と構造の関係を理解する上で重要な役割を果たしています。分離脳患者の行動から、左右の大脳半球がそれぞれ異なる機能を担っていることが明らかになりました。また、脳梁が切断されると、左右の大脳半球はそれぞれ独立した意識を持つようになることも示されました。

分離脳は、脳の機能と構造の関係を理解する上で重要な疾患です。分離脳患者の研究は、脳の機能と構造の理解を深め、脳の病気や障害の治療法の開発に役立つと期待されています。

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.6002201854