広場恐怖症とは、逃げることが困難である、または助けが得られないかもしれない状況や場所にいることに、恐怖や不安を抱く状態です。
具体的には、以下の5つの状況や場所のうち2つ以上で、強い恐怖や不安を感じます。
- 公共交通機関(電車、バス、飛行機など)に乗る
- 混雑した場所にいる
- 人混みの中で立っている
- 一人でいる
- 閉ざされた場所にいる
これらの状況や場所で、パニック発作のような症状(息切れ、めまい、発汗、心拍数の上昇、ふるえなど)が起きたときに、そこから逃げられず、助けが得られないかもしれないと考え、過度な不安を持ち、これらの状況を回避したり、誰かに付き添ってもらうようになります。
広場恐怖症の原因は完全には解明されていませんが、脳内の神経伝達物質の異常や、遺伝的要因などが関与していると考えられています。また、パニック障害を合併している人も多く、広場恐怖症はパニック障害の合併症として発症すると考えられています。
広場恐怖症は、早期に適切な治療を受けることで、症状を改善することができます。治療には、薬物療法と認知行動療法が用いられます。
薬物療法では、抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。抗不安薬は、不安や恐怖の症状を抑える効果があります。抗うつ薬は、不安や恐怖の症状を抑えるだけでなく、認知行動療法の効果を高める効果もあります。
認知行動療法では、患者さんの不安や恐怖の原因を探り、それに対する考え方や行動を改善していくことで、症状を改善していきます。
広場恐怖症は、日常生活に大きな支障をきたす精神障害です。早期に適切な治療を受けることで、症状を改善し、社会復帰を目指すことができます。