マクシミン原理とは
マクシミン原理(maximin principle)とは、意思決定における判断基準の一つで、将来の不確実な状況下において、選択できる戦略ごとに最悪の結末を想定し、その中で最も悪い結果が最も良い戦略を選ぶという考え方です。
言い換えると、どんな悪い状況になっても、できるだけ損失を最小限に抑えられる戦略を選択するということです。
マクシミン原理は、リスクを極力回避したい場合や、確実な利益を得たい場合に有効な考え方です。
マクシミン原理の例
マクシミン原理を理解するために、簡単な例を考えてみましょう。
あなたは、A、B、Cという3つの選択肢から一つを選ぶことができます。それぞれの選択肢における最悪の結末は以下の通りです。
- Aを選ぶ場合: 利益は100円ですが、損失が500円発生する可能性があります。
- Bを選ぶ場合: 利益は200円ですが、損失が300円発生する可能性があります。
- Cを選ぶ場合: 利益は300円ですが、損失が100円発生する可能性があります。
マクシミン原理に従う場合、Cを選ぶのが最適な戦略となります。なぜなら、Cを選んだ場合の最悪の結末は損失が100円であるのに対し、Aを選んだ場合は損失が500円、Bを選んだ場合は損失が300円となるからです。
マクシミン原理のメリットとデメリット
マクシミン原理には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- リスクを極力回避できる
- 確実な利益を得られる
- 意思決定が比較的簡単
デメリット
- 可能性の高い良い結果を無視してしまう可能性がある
- 攻めの姿勢が弱くなる
- 場合によっては非効率的な選択をしてしまう可能性がある
マクシミン原理の応用例
マクシミン原理は、様々な場面で応用することができます。以下は、マクシミン原理が応用される例です。
- 投資: 投資先を選ぶ際に、最悪の結末を想定してリスクを最小限に抑える戦略を選択する。
- 事業戦略: 新規事業を立ち上げる際に、最悪のシナリオを想定してリスクを最小限に抑える戦略を選択する。
- 個人生活: 旅行先を選ぶ際に、天候や交通状況などの不確実な要素を考慮して、最悪の結末を想定して計画を立てる。
マクシミン原理は、意思決定における一つの考え方であり、万能ではありません。状況に合わせて、他の意思決定基準と組み合わせることも重要です。