ミラータッチ共感覚とは、他の人が触れられているのを見て、自分の身体と同じ部分や反対側の部分で同じような感覚を経験するまれな症状です。たとえば、この症状を持つ人が誰かが自分の頬に触れているのを観察すると、自分の頬にも同じ感覚を感じるでしょう。
ミラータッチ共感覚は、共感覚の一種です。共感覚は、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの感覚が、他の感覚や感情と結びつく状態です。ミラータッチ共感覚は、共感覚の中で最もまれなタイプであると考えられており、その割合は人口の約1%と推定されています。
ミラータッチ共感覚の原因はまだ完全には解明されていませんが、鏡ニューロンと呼ばれる脳の領域が関与していると考えられています。鏡ニューロンは、他の人が行動するのを見たときに活性化するニューロンです。ミラータッチ共感覚を持つ人は、鏡ニューロンが過剰に活性化している可能性があると考えられています。
ミラータッチ共感覚は、一般的に害のない状態です。しかし、一部の人は、この症状によって痛みや不快感を感じたり、日常生活に支障をきたしたりすることがあります。
ミラータッチ共感覚の治療法は現在のところ確立されていません。しかし、症状を軽減するために、認知行動療法や薬物療法などの治療法が試みられています。