クリューバー・ビューシー症候群

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

クリューバー・ビューシー症候群(Klüver-Bucy syndrome)とは、脳の扁桃体の障害によって、情動・防衛反応の後退や、性欲・食欲の異常が生じた状態です。

1939年に、アメリカの神経科学者であるヘンリー・クリューバー(Heinrich Klüver)とポール・ビューシー(Paul Bucy)が、サルの側頭葉を両側切除したところ、6つの症状が出現したことを報告したことで有名です。

6つの症状は、以下のとおりです。

精神盲(視覚失認):視覚刺激を認識することができなくなる。
口唇傾向:何でも口に入れて噛んでみようとする。
変形過多:見慣れないものに興味を示し、触ったり、舐めたりする。
情動行動の変化:恐怖や怒りなどの感情表現が乏しくなる。
性行動の変化:異性に対する性的興奮や性的行動が過剰になる。
食欲の変化:食べ物に対する嗜好が変化し、異物を食べることもある。
クリューバー・ビューシー症候群は、頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍、てんかんなどの脳損傷によって引き起こされることがあります。また、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患でも、症状がみられることがあります。

治療法は、根本的にはまだ確立されていません。しかし、症状の緩和に効果的な薬物療法や、リハビリテーションが施されることがあります。

https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/dictionary/kagyo/ku/20230301-2159007/