精神分析におけるリビドーとは、快感を追求する本能エネルギーです。フロイトによると、リビドーは性本能そのものであり、人間の行動の原動力となります。リビドーは、生得的に備わっており、乳幼児期から存在します。乳幼児期には、口や肛門などの身体部位を対象として発達し、成長に伴って、性器へと移行していきます。
リビドーは、その方向性によって「自我リビドー」と「対象リビドー」に分類されます。自我リビドーは、自分自身に向けられるリビドーであり、自己保存本能と関連しています。対象リビドーは、自分以外の対象に向けられるリビドーであり、愛情や親密感と関連しています。
リビドーは、様々の欲求に変換可能なエネルギーです。食欲や睡眠欲、創造欲、探求欲など、人間のあらゆる欲求は、リビドーの働きによるものと考えられています。また、リビドーは、抑圧や反動などの防衛機制によって、無意識へと追いやられることもあります。
リビドーは、精神分析において重要な概念であり、人間の行動や心理状態を理解する上で重要な役割を果たしています。
以下に、リビドーの具体的な特徴をまとめます。
- 快感を追求する本能エネルギー
- 生得的に備わっている
- 乳幼児期から存在する
- 方向性によって「自我リビドー」と「対象リビドー」に分類される
- 様々の欲求に変換可能なエネルギー
なお、リビドーは、精神分析の創始者であるフロイトによって提唱された概念です。その後、ユングやアドラーなど、他の精神分析家によって、リビドーの概念はさまざまな形で解釈されてきました。
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