実存的空虚とは、自分の存在に意味や目的を見いだせず、虚無感や孤独感にさいなまれる状態のことです。
実存主義の心理学者であるヴィクトール・フランクルは、実存的空虚を「存在の意味を探求する人間の本質的な欲求が満たされない状態」と定義しています。
実存的空虚の原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、人生に大きな変化や挫折を経験したことによるものです。例えば、親や配偶者の死、失業、病気、災害などによって、これまでの人生観や価値観が崩れ、生きる意味を見失ってしまうことがあります。
もう1つは、現代社会の価値観の多様化や伝統的価値観の崩壊によるものです。現代社会では、個人の価値観や生き方が多様化しており、何が正しいのか、何を生きがいとするのかがわからなくなってしまうことがあります。
実存的空虚の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 虚無感や孤独感
- 無気力や意欲の低下
- 不安や焦燥感
- うつ病や自殺願望
実存的空虚は、そのまま放置しておくと、うつ病や自殺などの深刻な問題に発展する可能性があります。
実存的空虚を克服するためには、まず自分の存在に意味や目的を見いだすことが大切です。そのためには、自分の価値観や生き方を見つめ直し、自分にとって何が大切なのかを明確にする必要があります。
また、他人とのつながりを持つことも、実存的空虚を克服する上で重要です。他人とのつながりによって、自分の存在を肯定され、孤独感を和らげることができます。
実存的空虚は、誰にでも起こりうる問題です。もし、実存的空虚を感じている場合は、一人で抱え込まず、信頼できる人に相談したり、専門家の助けを求めたりして、乗り越えていってください。