入会儀礼効果

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入会儀礼効果とは、あるグループや団体に入会するために、ある程度の努力や犠牲を払わせることで、そのグループや団体への帰属意識や信念を高める効果のことです。

入会儀礼効果は、認知的不協和理論によって説明されます。認知的不協和理論とは、自分の行動と信念が一致していないと、不快な気持ち(不協和)が生じるという理論です。入会儀礼効果では、入会するために努力や犠牲を払うという行動と、そのグループや団体に所属したいという信念が不協和を生みます。この不協和を解消するために、人は自分の信念をそのグループや団体に好意的なものへと変化させようとします。

入会儀礼効果は、さまざまな場面でみられます。たとえば、

宗教団体では、信者になるために厳しい修行や奉仕を課すことがあります。
企業では、新入社員に厳しい研修やOJTを課すことがあります。
大学では、入学するために難しい試験や課題を課すことがあります。
これらの場合、入会儀礼効果によって、人はグループや団体への帰属意識や信念を高め、離脱しにくくなると考えられます。

なお、入会儀礼効果は、マインドコントロールの技法としても用いられることがあります。マインドコントロールを行う側は、入会儀礼効果を利用して、人々をグループや団体に強く依存させ、抜け出しにくくします。

入会儀礼効果を避けるためには、入会する前にそのグループや団体についてよく調べ、入会儀礼の意味や目的を理解することが大切です。また、入会後に自分の信念と行動が一致しているかを定期的にチェックして、不協和が生じている場合は、対処するようにしましょう。

http://m-ac.jp/science/opposition/pseudo_science/ritual/index_j.phtml