具体的操作期とは、ピアジェの認知発達理論における3番目の発達段階です。年齢は7歳から11歳頃にあたります。
この段階では、子どもは論理的思考ができるようになり、具体的な事物について、因果関係や保存性などの概念を理解できるようになります。
具体的な操作期の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
保存性の獲得
数量や重さなどの概念の獲得
逆算や遡行などの能力の獲得
論理的な思考の獲得
保存性の獲得とは、ものの見た目が変わっても、その量や数は変わらないという概念の理解です。たとえば、コップAからコップBに水を移しても、コップの形が変わっただけで、水の量は変わらないという考えができるようになり、見た目に惑わされなくなります。
数量や重さなどの概念の獲得とは、数量や重さなどの概念を理解できるようになることです。たとえば、10個のブロックを2つのグループに分けても、どちらのグループにも同じ数のブロックがあるという考えができるようになり、数量の保存性や重さの保存性を理解できるようになります。
逆算や遡行などの能力の獲得とは、逆算や遡行などの能力を身につけることです。たとえば、10個のブロックから2個減らすと、8個になるという考えができるようになり、逆算をすることができるようになります。また、10個のブロックを2つのグループに分け、片方のグループに4個のブロックがあるなら、もう片方のグループには6個のブロックがあるという考えができるようになり、遡行をすることができるようになります。
論理的な思考の獲得とは、論理的な思考ができるようになることです。たとえば、AがBよりも大きいなら、BはAよりも小さいという考えができるようになり、論理的な推論ができるようになります。
具体的操作期は、子どもが論理的思考力を身につけ、学習活動を積極的に行えるようになる重要な時期です。この時期に、子どもの論理的思考力を育むような環境を整えてあげることが大切です。