(心理学における)補償とは、自分の欠点や弱点を他の能力や性質で補おうとする心の動きのこと

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(心理学における)補償とは、自分の欠点や弱点を他の能力や性質で補おうとする心の動きのことです。

心理学における補償の特徴

補償の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。

劣等感を克服する目的

補償は、自分の欠点や劣等感を克服するために行われます。そのため、補償を行う人は、自分の欠点や劣等感を自覚していることが多いです。

欠点や劣等感の逆の能力や性質を極める

補償は、自分の欠点や劣等感の逆の能力や性質を極めて発達させようとするものです。例えば、運動能力が劣っている人は、勉強や芸術などの能力を極めて補償しようとすることがあります。

意識的に行われることが多い

補償は、意識的に行われる場合が多いです。例えば、運動能力が劣っている人は、スポーツを習い始めたり、運動する時間を増やしたりすることで、運動能力を向上させようとします。

社会的にも有益なもの

補償は、劣等感のネガティブな働きを弱めることもでき、積極的に物事に取り組む動機をうみだす社会的にも有益なものであると言えます。

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心理学における補償の具体例

身体的な欠点や弱点を抱える人が、他の能力や才能を磨く

例えば、背が低い人が、勉強や仕事で成果を出すことで、自分の価値を証明しようとすることがあります。また、運動能力に劣る人が、芸術や音楽などの分野で才能を発揮することもあります。

容姿に自信がない人が、内面的な魅力を磨く

例えば、容姿に自信がない人が、明るい性格やユーモアで周囲に好感を持たれようとします。また、知識や教養を身につけて、内面的な魅力を高めようとすることもあります。

コミュニケーション能力に自信がない人が、勉強や仕事で成果を出すことで自信をつけようとする

例えば、コミュニケーション能力に自信がない人が、勉強や仕事で成果を出すことで、自分の価値を証明しようとします。また、裏方としてサポートする役割を担うことで、自分の貢献をアピールしようとすることもあります。

リーダーシップを発揮できない人が、裏方としてサポートする役割を担うことで貢献しようとする

例えば、リーダーシップを発揮できない人が、裏方としてサポートする役割を担うことで、自分の貢献をアピールしようとします。また、自分の得意な分野で専門性を発揮することで、チームの力になることができます。

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補償と昇華の違い

補償と昇華は、どちらも心理学の用語で、自分の欠点や抑圧された欲求を、別の形で表現することで解消する適応機制のことです。

補償とは、自分の欠点や劣等感を、別の能力や長所によって補うことです。例えば、運動能力に劣っている人が、勉強や音楽などの能力で優位に立とうとするような場合です。補償は、自分の欠点を認めて、それを克服するために努力するという意味では、健全な適応機制と言えます。

昇華とは、自分の抑圧された欲求を、社会的に許容される形で表現することです。例えば、攻撃衝動を、スポーツや芸術などの活動で発散するような場合です。昇華は、自分の欲求を直接的に表現することはできない代わりに、より高次な形で表現することで、欲求不満を解消する適応機制と言えます。

補償と昇華の違いは、以下のとおりです。

項目 補償 昇華
対象 欠点や劣等感 抑圧された欲求
表現 別の能力や長所 社会的に許容される形
解消 欠点や劣等感を克服 欲求不満を解消

抑圧、補償、代償、昇華、反動形成。逃避機制は退行

補償の同義語、類義語、関連語、反対語

  • 過補償