観念実在論

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観念実在論とは、認識論における立場のひとつで、物理的な世界ではなく、私たちが認識する観念こそが実在であると考える立場です。

観念実在論は、古代ギリシアのプラトンが唱えたイデア論にまで遡ることができます。プラトンは、物理的な世界は変化し、不完全であるのに対し、イデアの世界は不変で完全であると考えました。そして、私たちが認識できるのは、イデアの世界を映し出した影である、としました。

近代哲学においては、ジョージ・バークリーが観念実在論を唱えました。バークリーは、存在するとは知覚されることであるとし、物理的な世界は、私たちの精神が作り出した観念の集合に過ぎないとしました。

観念実在論は、以下のような主張をします。

物理的な世界は、私たちの認識によって生み出される。
私たちが認識できるのは、観念のみである。
観念は、私たちの精神の中に存在する。
観念実在論は、主観主義や唯心論と混同されることがありますが、両者は区別されます。主観主義は、認識の主観性を強調する立場であり、唯心論は、精神のみが実在すると考える立場です。観念実在論は、主観主義と唯心論の両方を包含する立場と言えます。

観念実在論には、以下のような批判があります。

物理的な世界が存在しないとすると、なぜ私たちは同じものを認識することができるのか。
観念が私たちの精神の中に存在するとすると、なぜ私たちは異なる観念を認識することができるのか。
観念実在論は、認識論における重要な立場のひとつであり、物理的な世界と観念の関係をめぐって、さまざまな議論が展開されています。

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