記憶の多重貯蔵モデル

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

記憶の多重貯蔵モデルとは、アトキンソンとシフリン(Atkinson and Shiffrin)によって1968年に提唱された記憶のメカニズムのモデルです。このモデルでは、記憶は感覚記憶、短期記憶、長期記憶という3つの貯蔵庫(登録器)によって構成されるとされています。

感覚記憶は、視覚や聴覚などの五感で感じた刺激を、一瞬だけ保持する機能です。感覚記憶の保持時間は、視覚で約0.25秒、聴覚で約5秒程度と非常に短いため、注意を向けたり、反復したりしないとすぐに消えてしまいます。

短期記憶は、感覚記憶から注意を向けた情報が、約20秒間保持される機能です。短期記憶では、情報を一時的に保持し、意味づけや整理を行います。短期記憶の容量は、7±2個程度とされています。

長期記憶は、意味づけや整理された情報が、長期的に保持される機能です。長期記憶には、宣言的記憶と手続き的記憶の2種類があります。宣言的記憶は、事実や知識に関する記憶であり、エピソード記憶と意味記憶に分けられます。エピソード記憶は、個人的な経験に関する記憶であり、意味記憶は、一般的な知識に関する記憶です。手続き的記憶は、技能や操作に関する記憶です。

記憶の多重貯蔵モデルは、記憶現象を簡潔に説明できるモデルとして、広く受け入れられています。しかし、近年では、短期記憶と長期記憶が完全に独立した機能であるのか、といった点について、議論が続いています。

記憶の多重貯蔵モデルは、記憶の理解に役立つモデルです。このモデルを理解することで、記憶の働きや、記憶を効果的に活用する方法について、より深く理解することができるでしょう。

https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/modelofmemory/