エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによって1885年に提唱された、記憶の忘却に関する曲線です。
エビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導きました。
この曲線によると、学習直後は記憶量が最大になりますが、時間が経つにつれて急速に忘却されます。1時間後には56%、1日後には74%、1週間後には77%、1か月後には79%を忘れてしまいます。
この曲線は、記憶の忘却は時間とともに線形に進行するという単純なものではなく、初期の忘却が特に速く、その後は徐々に忘却率が低下するという曲線を描きます。
エビングハウスの忘却曲線は、学習の効率化に重要な示唆を与えてくれます。
学習した内容を長期的に記憶するためには、繰り返し復習することが重要です。エビングハウスの忘却曲線によると、学習直後は記憶量が最大であるため、このタイミングで復習することで、忘却を防ぐことができます。
また、エビングハウスの忘却曲線は、学習方法の改善にも役立ちます。
例えば、学習内容を関連付けながら覚えることで、記憶の定着を図ることができます。また、学習内容を複数回に分けて繰り返し学習することで、より効率的に記憶を定着させることができます。