カール・ロジャーズ(Carl Ransom Rogers、1902年1月8日 - 1987年2月4日)は、アメリカ合衆国の臨床心理学者。来談者中心療法(Client-Centered Therapy)を創始した。
イリノイ州オークパーク生まれ。厳格なプロテスタントの家庭に育ち、ウィスコンシン大学で農学を学んだ後、牧師を目指してユニオン神学校大学院に進む。しかし、次第に宗教的な思想から考えを広げ、心理学へ造詣を深める。
1928年にウィスコンシン大学で心理学の博士号を取得し、同大学の臨床心理学部で教鞭をとる。1940年にニューヨーク州ロチェスター市の児童心理療養所「ロチェスター・カウンセリング・センター」の所長に就任し、来談者中心療法の開発に着手する。
1951年に「来談者中心療法」を発表し、心理療法の分野に大きな影響を与えた。1963年にアメリカ心理学会(APA)の会長に就任し、心理学の発展に貢献した。
ロジャーズの来談者中心療法は、クライエントの主体性を重視し、クライエント自身が自らの問題に気づき、解決していくことを促す療法である。ロジャーズは、クライエントが「無条件の肯定的関心(unconditional positive regard)」や「共感的理解(empathic understanding)」を受けることで、自己を肯定し、成長していくことができると主張した。
ロジャーズの思想は、心理療法のみならず、教育、福祉、経営、宗教など、さまざまな分野に影響を与えている。
ロジャーズの主な著書には、以下のようなものがある。
- 『来談者中心療法』(1951年)
- 『人間の成長』(1961年)
- 『自由と成長』(1969年)
- 『人格と社会』(1970年)
ロジャーズは、20世紀を代表する心理学者の一人であり、その思想は現代においてもなお、多くの人々に影響を与え続けている。
参考URL:
カール・ロジャーズ - Wikipedia