一貫性の法則とは、人は自分の行動や発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理のことを指します。
一貫性の法則が働く原因
一貫性の法則が働く原因は、以下の3つが挙げられます。
自己認知の維持
人間は、自分自身を合理的で一貫性のある存在として認識したいという心理があります。そのため、一度決定したことや行動をとったことを、後から矛盾しないよう解釈しようとします。
社会的評価の維持
人間は、周囲の人から信頼されたい、好かれたい、尊敬されたいという心理があります。そのため、一貫性のある行動をとることで、周囲の人から良い印象を与えようとします。
心理的負担の軽減
人間は、常に選択や決断を迫られています。そのため、一度決定したことや行動をとったことを、後から変更するよりも、そのまま続ける方が心理的な負担が軽減されます。
無意識に行動に表れている「一貫性の法則」を解説|ferret
一貫性の法則の具体例
一貫性の法則の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
アンケートや試供品で好意を示す
アンケートに答えたり、試供品を使ってもらったりすることで、その企業や商品に対して好意を抱くようになります。そして、その好意を維持するために、商品を購入したり、サービスを利用したりする可能性が高くなります。
寄付や募金をする
一度寄付や募金をすると同じ団体への寄付や募金を行う可能性が高くなります。これは、一度寄付や募金をしてその団体に好意を抱いたため、その好意を維持するために、継続的に寄付や募金を行いたいという心理が働いていると考えられます。
政治的立場を表明する
一度政治的立場を表明すると、その立場と矛盾する意見や行動をとることを回避しようとします。これは、自分の意見や行動が一貫していることで、自分自身を肯定したいという心理が働いていると考えられます。
ダイエットやトレーニングを始める
ダイエットやトレーニングを始めると、その目標を達成するために、健康的な食事をしたり、運動をしたりするようになり、目標達成の可能性が高くなります。これは、一度目標を定めると、その目標を達成するために、行動の一貫性を保ちたいという心理が働いていると考えられます。
一貫性の法則 | マーケティング・ビジネスを成功させる心理学・行動経済学
一貫性の法則の活用法
一貫性の法則を活用する具体的な方法
小さなコミットメントから始める
大きな目標をいきなり達成しようとすると、途中で挫折してしまう可能性があります。まずは小さなコミットメントから始めて、徐々に目標に近づいていくようにしましょう。
行動を伴わせる
頭の中で考えるだけよりも、声に出したり、文字に書いたりして行動を伴わせると、より効果的です。
周囲の人に宣言する
周囲の人に宣言することで、自分自身にプレッシャーをかけることができます。また、応援してくれる人が増えることで、モチベーションを維持しやすくなります。
一貫性の法則の活用例
ダイエット
「痩せたい」という目標を立てても、なかなか実行に移せないという人も多いのではないでしょうか。まずは、毎日10分間ウォーキングをする、食事の量を少し減らすなど、小さなコミットメントから始めてみましょう。また、ダイエットを決意したことを家族や友人に宣言するのも効果的です。
勉強
「勉強をもっと頑張りたい」という人は、勉強する時間を決めておくとよいでしょう。また、勉強の目標を立てて、達成したら自分を褒めてあげるのもおすすめです。
営業
営業においては、顧客に商品やサービスのメリットを理解してもらうことが重要です。そのためには、顧客のニーズを把握し、そのニーズを満たす商品やサービスを提案することが大切です。また、顧客に商品やサービスの購入を促す際には、具体的なメリットを示すようにしましょう。
政治
政治家は、有権者に自分の政策を理解してもらい、支持を得ることが重要です。そのためには、有権者のニーズを把握し、そのニーズを満たす政策を打ち出す必要があります。また、政策を打ち出す際には、具体的な内容を示すようにしましょう。
一貫性の法則は、人の行動を促したり、自分の目標を達成したりするために活用できる有効な心理学です。上記の方法を参考に、ぜひ活用してみてください。
一貫性の法則を活用してビジネスを加速させる方法 | つぼろぐ
一貫性の法則の同義語、類義語、関連語、反対語
- 一貫性の原理
- 自己一貫性動機