クレショフ効果とは、前後の映像情報により生じる印象や解釈が変わる心理効果のことです。
1922年、ソビエト連邦の映画作家・映画理論家のレフ・クレショフが、以下の実験によってこの効果を示しました。
- 同じ俳優の表情のない顔の映像を、3つの異なる映像と組み合わせて上映した。
- 1つ目の映像は、棺桶の中の死体の映像。
- 2つ目の映像は、子供の笑顔の映像。
- 3つ目の映像は、美しい女性の映像。
その結果、
- 棺桶の中の死体の映像と組み合わせた場合は、俳優の顔は悲しみの表情に見えた。
- 子供の笑顔の映像と組み合わせた場合は、俳優の顔は喜びの表情に見えた。
- 美しい女性の映像と組み合わせた場合は、俳優の顔は愛情の表情に見えた。
このように、前後の映像によって、同じ俳優の表情のない顔の印象が大きく変わることが示されました。
クレショフ効果は、映画やテレビなどの映像作品において、効果的に活用されています。例えば、
- 主人公の表情を、前後の映像によって変化させることで、感情を表現する。
- 商品やサービスの印象を、前後の映像によって変化させることで、訴求力を高める。
といったように、クレショフ効果を理解することで、より効果的な映像作品やコミュニケーションを実現することができるでしょう。
クレショフ効果は、人間の認知の特徴である「関連付け」によって引き起こされると考えられています。人は、無意識のうちに、前後の映像を関連づけて考えてしまうため、前後の映像によって、同じ映像の印象が変化してしまうのです。
参考URL:
クレショフ効果とは?「無意識の関連付け」がもたらす影響とマーケティングとの関係 | 株式会社Sprocket