否定的アイデンティティ

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否定的アイデンティテとは、社会的に望ましくない価値や行動を積極的に受け入れ、自分自身をそのように定義する状態です。これは、アイデンティティの危機を抱えている人が、自分自身を肯定的に評価できないために、逆に社会的に否定的な価値を受け入れることで、自分自身を定義しようとする心理的なメカニズムです。

例えば、非行集団に所属したり、犯罪に手を染めたり、自らを価値のない人間と決めつけたりすることが、否定的アイデンティテの例として挙げられます。

否定的アイデンティテは、アイデンティティの確立がうまくいかない青年期に多く見られます。これは、青年期は、親から自立し、社会の中で自分の立ち位置を見つける時期であり、その過程でアイデンティティの危機を経験することが多いからです。

否定的アイデンティテは、本人にとっても周囲の人々にとっても、問題を抱える原因になります。本人は、自分自身を否定的に評価し、自己肯定感が低くなってしまいます。また、社会的に問題のある行動を繰り返すため、周囲の人々からの信頼を失ったり、社会的に孤立したりする可能性もあります。

否定的アイデンティテを抱えている人は、自分の価値観や生き方について、専門家の助けを借りながら、自分自身を肯定的に評価できるようにしていくことが大切です。

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