元型

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元型(アーキタイプ)とは、カール・グスタフ・ユングが提唱した分析心理学における概念で、人間に生まれ持ってそなわる集合的無意識で働く「人類に共通する心の動き方のパターン」のことである。

ユングは、人間の心は意識と無意識から構成されると考えており、無意識はさらに個人的無意識と集合的無意識に分けられるとした。個人的無意識は、個人の経験や記憶によって形成されるものである一方、集合的無意識は、人類の進化の過程で蓄積されてきた普遍的な心の構造であると考えた。

元型は、集合的無意識の中に存在する原型的なイメージであり、人間の夢や幻覚、神話や宗教などの象徴的な表現の中に現れると考えられている。例えば、神話に登場する英雄や魔女、聖人や悪魔、自然界の動物や植物などは、いずれも元型を表していると考えられる。

ユングは、元型は人間の成長や発達に重要な役割を果たすと考えている。元型は、意識と無意識をつなぐ架け橋となり、人間が自分の内面を理解し、自己実現を達成するために必要なエネルギーを与えてくれると考えられている。

元型の種類は多岐にわたるが、代表的なものに以下のようなものが挙げられる。

ペルソナ:社会的な役割やアイデンティティ
アニマ:女性性
アニムス:男性性
グレートマザー:母性
トリックスター:いたずらや欺瞞
シャドー:影の部分
ワイズ・オールドマン:知恵と経験
元型は、人間の心の深層に根ざした普遍的な構造であり、私たちの思考や行動に大きな影響を与えていると考えられる。

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