マタイ効果とは?
マタイ効果(Matthew Effect)は、教育や学術研究などの分野において、成功や優位性のある人々がますます成功し、不利な状況にある人々がますます不利な状況に追いやられるという現象を指します。
この用語は、アメリカの社会学者ロバート・キング・マートン(Robert K. Merton)によって命名されました。マタイ効果という名前は、聖書のマタイによる福音書に書かれている一節に由来しています。マタイによる福音書には、「持っている者は与えられ、持っていない者は奪われる」という内容の一節があります。
マタイ効果は、以下のようなメカニズムによって起こると考えられています。成功や優位性のある人々は、より多くの機会や資源、評価、報酬を得る傾向があります。彼らは既存の成功の基盤を活用してさらなる成功を収め、社会的な影響力や権力を増大させます。一方、不利な状況にある人々は、機会や資源へのアクセスが制限され、成功への道が困難になることがあります。
マタイ効果は、教育の分野では学力や学習機会の格差を拡大させる要因として議論されます。成功の初期段階で優位な位置にいる学生は、より良い教育環境やサポートを受けることができ、学力や成績が向上しやすくなります。一方、不利な状況にある学生は、資源やサポートの不足により学習の遅れや困難を抱える可能性が高まります。
マタイ効果を軽減するためには、社会的な不平等や格差を解消し、均等な機会と資源の提供を促進する必要があります。公正な教育システムの構築や、不利な状況にある人々へのサポートや補完的な措置の提供が重要です。また、マタイ効果を意識し、成功や優位性のある人々に対しても公正な評価や機会の提供を行うことも重要です。