感覚論とは、認識の起源は感覚にあるとする哲学認識論上の立場です。つまり、人間は生まれながらにして知識や概念を持っているわけではなく、五感を介した経験を通して知識を 獲得していくという考えです。
感覚論は経験論の一種であり、古代ギリシャの哲学者デモクリトスやエピクロス、近代の哲学者ジョン・ロックやデイヴィッド・ヒュームなどが代表的な支持者として知られています。
感覚論には、以下のような特徴があります。
知識の起源は感覚にある
感覚論者は、人間が生まれる前に知識や概念を持っているとは考えていません。人間は、五感を介して外界から情報を受け取り、それを解釈することで知識を獲得していきます。
経験が重要である
感覚論者にとって、経験は知識を獲得するために不可欠なものです。五感を介して得られる感覚経験だけでなく、内省や思考なども経験に含まれます。
理性には限界がある
感覚論者は、理性は感覚経験に基づいて働くと考えています。そのため、理性は感覚経験を超えた知識を獲得することはできないと考えられています。
客観的な知識は存在しない
感覚論者は、すべての知識は主観的な感覚経験に基づいているため、客観的な知識は存在しないと考える傾向があります。
感覚論は、認識論における重要な立場の一つであり、現代哲学にも大きな影響を与えています。
以下は、感覚論に関する代表的な書籍です。
- ジョン・ロック『人間知性論』
- デイヴィッド・ヒューム『人間本性論』
- ジョージ・バークリー『視覚新論』
これらの書籍を読むことで、感覚論についてより深く理解することができます。